こんな箇所まで溶けるか!?


熱害によるダメージを受けた106のエンジンについて、各部の点検を進めています。

画像に残せていませんが、イグニッションコイルも溶けていました。
各部の分解を進めると、様々な箇所に熱害を受けたその痕跡が確認出来ます。

なかでも驚いたのは、冒頭画像にもあるクランクケースに繋がる油量計のセンサー部分です。
スチールブロックやアルミヘッドにボルト固定された樹脂部品が、熱により溶けるのは理解できるのですが、オイルに使った部分が見事に溶けています。
一体何度まで温度が上昇したのでしょうか。
エンジンオイルは、潤滑の他に冷やす役割も担っています。
油圧ラインにはピストンクーラと言って、オイルジェットがピストン下部をめがけて噴射し放熱を行う場合がほとんどです。

コンロッド大端部を外すと、ジャーナルにメタルが残っていました。
メタルはそのものの張りで、大端部の円の中に固定されています。
ダメージを受ける事でメタルそのものの張りが失われる事があります。


異常な発熱状態でしばらくの間走行したことで、メタルの機能が低下したのでしょう。

オイルポンプ・コンロッド・ピストン・クランクシャフトを取り外し、ブロック単体になりました。



ブロック側に直接取り付けられているセンサーの類いは、溶けて原型を保っていません。
火災現場の調査を行っている気持ちになります。

この後は、取り外したパーツを洗浄し、被害の状況を測定を交えて点検していきたいと思います。

Written by Hashimoto

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