パンダ3 1.3MJET 15万キロ クラッチ交換作業
パンダ3 4X4 1.3M-JET ディーゼルエンジンを搭載した並行輸入車をクラッチ交換作業の為、お預りをさせて頂いています。
クラッチメカニズム一式の交換と合わせて、半クラ時に時折感じるジャダーの対策として、フライホイールも手配を行いました。
日本仕様では無い車輌のため、部品の手配は事前に行っておく必要があり、そのほとんどはバックオーダーとなります。
外気温度が低い際に、セルモータが回りづらい事もあり、走行距離からして本体の交換も必要と判断。
セルモータも手配を行いました。
ツインエアーの4X4とは色々と異なります。
大きく違うのはトランスファーの構造。ツインエアーエンジンの場合は、トランスファーを外さずにミッションを降ろすのですが
今回はその作戦は不可能である事が見るからに伝わります。
横置きエンジン FFベースの4輪駆動はランチアデルタに色々と似ています。
1300ccでありながら、サイズの大きなクラッチ機構はトルクの大きいディーゼルエンジンに対応したものであると読み解きます。
また、4輪駆動であるため駆動関連の力も必要とあるので排気量に対してクラッチ容量が大きく、カバー構造も頑丈なのでしょうね。
クラッチディスクの消耗量は、およそ1mmですので距離の割に減りは少なめでした。
左=新品のクラッチディスク
右=取り外したクラッチディスク
他のフィアット系エンジンとは異なり、フライホイールにおTDC検出用のチョッパーが備わります。
多くのフィアット車はクランクプーリ側でリファレンス検出をしています。
いつものクラッチの作動チェックを施工。
適切な作動力でクラッチの遮断を確認。
オイル漏れは起きていませんでしたが、クランク・リヤシールは交換。
このシールが入りづらい!
リップが薄く、硬いのでクリヤーファイルSST作戦で上手くセットできました。入りづらいシールはこの方法がベストかも?
エンジン型式 199A.9000 1.3Mjet フライホイール締め付け管理は 15Nm.+40° ボルト交換は必須です。
M8サイズのボルトでした。
アバルトとツインエアーはM9サイズのボルトを用います。
クラッチカバーは28Nm.
大きく沈み込んだミッションアッパーマウント。
エンジン&ミッションが結構な重量ですので、マウントへの負担も大きそうです。
各部の組み付けを進め、組付け復旧を急ぎます。
今週も様々な車輌を手掛けていきますので、スムーズな進行と高効率な段取りが欠かせません!
Written by Hashimoto