アバルト500 劣化改善しながら復元進行中
クラッチの滑りが発生し、クラッチ交換と合わせて各部劣化改善を進めているアバルト500です。
軽量フライホイール装着の1号車ですね。
年数経過を重ねる事で色々と気になる箇所は増えて来ます。
シフトリンケージのエンド部分は、ゴムブッシュが組み込まれています。
ゴムブッシュの役割は、エンジン・ミッションなどから発する微振動を室内のシフトレバーに伝わりにくくする事が目的。
緩衝材として採用されています。
イタリア車は、カチッと作り上げる事には昔からあまり力を注いでおらず、どちらかと言えば緩めの仕上げを好むと私は思っています。
なので、シフトフィーリングについてはロングストロークでまったりとした印象をどの車にも感じます。
クラシックアルファのジュリアシリーズは、シフトストロークが左右・前後共にとても長く、5速ギヤは日本人体型なら誰もが「遠い」と感じる程。
その血統を継いでか、156や147もそれに近い印象を感じます。
シフトレバーが床から垂直に生えるのでは無く、コンソールの前辺りから斜めに生えてくる設計もクラシックアルファに似ていますよね。
脱線しました。
緩さを好まないのが日本人でして、どちらかと言えばカチッとしたショートシフトが好みの事が多いです。
アバルトのシフトフィーリングを手軽に、少しだけコクっと仕立てる方法はこのラバーブッシュを介したエンド部をダイレクトタイプに変更する事で実現します。
画像はズボ抜けてしまった純正のロッドエンド。
この部分をダイレクトタイプに組替えます。
これにより、ほんの僅かの差ですがシフトフィーリングにカチっとした確実性をドライバーの手に伝達する事が可能になります。
セットアップには寸法調整と角度調整、場合によっては車両側の加工を要する為、通販での単品販売は行っておりません。ご了承ください。
弊社での関連作業を施工する場合に限っての、お客様の特権・裏メニューとして取り扱っています。
ハードに扱った経緯もあり、ロワアーム本体のボールジョイントに大きめのガタツキが発生していました。
ブッシュ劣化であれば組み換えが可能ですが、ボールジョイントのガタはアッセンブリ交換をせざるを得ません。
新品のロワアームに備え付けられている、純正ブッシュを抜き取り破棄・代わりにSessAロワアームブッシュをセットします。
思い返すと、このロワアームブッシュを組み付けた第一号車も今回のアバルトであった覚えがあります。
とても大きな研究開発をさせて頂いた1台です。
引き続き組み付け作業を進めてまいります。
Written by Hashimoto