フルパワー時にクラッチ滑りが発生
初期型アバルトはアクセル全開走行時に、クラッチが滑る症状が発覚!
モータースポーツを年に数回楽しまれるお客様ですので、この症状はよろしくありません。
この機会に劣化箇所も含めてリファインを行います。
と言うわけで各部の一斉分解を開始します。フロントバンパー・サブフレームを取り外し。
アバルトMT車の場合、ミッションが降りるまでのおおよその所用時間はバンパー~サブフレームで30分・そこからミッションが降りるまで40~50分くらいでしょうか。
掛かりっきりであれば瞬く間です。ただ、掛かりっきりになれる事は滅多と無く、何かと合間合間で行う事もあるので結果的にはプラスアルファの時間が必要です。
分解はすんなりですが、時間が必要なのはその後ですね。計測・洗浄・組み替えなどここはすっ飛ばせない作業です。
軽量フライホイールが装着済みの車輛です。
実はこのアバルト、今では広くご利用を頂いている弊社のパーツ「軽量フライホイールKIT」組み付け 第一号車です。
ここから時代を作ったといっても過言では無い記念すべきファーストモデルです。
今回のクラッチ滑りの原因は、レリーズシリンダからのオイル漏れ&ミッションフロントシールからのオイル漏れでした。
そのおかげでベルハウス内はオイルでベタベタ。
昨年、クラッチ油圧配管の接続部でフルード漏れを起こした経緯があるのですが、ブレーキフルードに耐温度性能の高い物を使用していた事が原因でした。
レリーズシールについても、すくなからずその影響が出たものと思われます。
レリーズ&フロントシールの交換。
クラッチの単体作動の確認を行い、組み換えを進めます。
ド派手に汚れていたミッションケースは、丁寧に洗浄を行い、そこそこ綺麗に復元できました。
それでもこびり付き汚れは残っています。
熱が掛かっている為、凝着的に付着しておりこれが限界です。
崩壊していたシフトコントロール部のダストブーツ。
これ、昔から変わってない部品です。アルファ155とかの時代から同じ物です。
うっかりすると、国内欠品する部品なので極力は自社ストックをするようにしています。
ズボ抜けたコントロールケーブルのロッドエンド。
ラバーで衝撃緩衝する構造ですが、ゴムの素材劣化と、柔軟性によりシフトフィーリングがグニャグニャする事が欠点。
後ほど組み換えを行います。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto