ルノー・メガーヌ3 エステートGT180 フライホイールを強化・軽量品にコンバージョン完了

デュアルマス・フライホイールのダメージからどう抜け出すか?が前回の課題でした。
純正品は16万円越えという代物でしたので、何とかならないものかと試行錯誤の末、結論がでました。

あらゆる方向性でパーツを探した結果、辿り着いたのはコレ。
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クロモリ製の軽量フライホイールです。
重量は、純正:12キロ 軽量:7.5キロ です。
4.5キロの軽量は程良い重量と言えます。軽すぎるとトルク低下が否めませんから。

いきなり組み付ける前に、まずは単体でのクラッチ点検を行いましょう。
組み付ける新品のクラッチを車輌に組み付けるのと同じ状態で取り付けます。
その後、油圧プレスを使いクラッチカバーを押し込みます。
(この状態が、クラッチペダルを踏み込んだのと同じ状態です。)
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圧力を掛けていない状態
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圧力を掛けた状態
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クラッチカバーのプレート面とクラッチディスクに隙間が生じているのが確認できます。
これがクラッチが切れた状態です。

単体テストでこの隙間が出来ない・少ない場合、車輌に組み付けた際にクラッチが切れない..という事になります。

外したクラッチの残量と、新品クラッチの厚み比較です。
1mm程減っていますね。5万キロ走行なので2リッターターボのクラッチとしては妥当な具合です。
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私達の扱う車では珍しい物も組まれていました。
クランクセンターにベアリングが入っています。
さほど悪くは無いですが、容量の小さいベアリングですので交換しておきましょう。
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フライホイールを固定するボルトは、塑性ボルトですので外したら新品に交換です。
締め付け方法は、全体を低い規定トルクで締め付けた後に、角度締めを2度行います。
合計3度の締め付けが必要ですので、締め付け行程に合わせてボルトにマーキングを行います。
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そしてクラッチの組み付け。
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見た目がごつい、強そうなクラッチです。

あとはひたすら各部の組み付け・復帰を行います。

フィーリングは、エンジンを始動した後にすぐに体感できます。
とにかくスロットルレスポンスが良い・鋭い。そりゃそうですね、根本的な機械的変化がもたらす結果です。

公道テストでも走りの差は歴然です。
ルノーの2Lターボは、最近主流のダウンサイジングターボでは無く、モアパワーとしてのターボですので
普通に走らせても十分速い車ですが、こういう要素が加わると激変です。
この周囲の試運転では、アクセルを沢山踏めません。
低回転トルクの低下は犠牲になっておらず、おとなしく走っても、ごく普通に乗れます。
ひとたび右足に力を入れると、ブースト前からビュンッとタコメータが跳ね上がり、その後にターボが
後ろから蹴飛ばす、そんな加速を味わえます。

面白い車に仕上がりました。

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