V6 3リッター 点火系統のメンテナンス


「V6 3リッター」この響きに懐かしさを感じるようになりましたね。
大排気量や多気筒がステータスあった時代です。
同じ車種であっても、4気筒 と 6気筒が選べるという事は、まさしくそういう事ですよね。

今回のメンテナンスを行う車両は、シトロエン C5 ツアラー です。
プジョー・シトロエン・ルノー に搭載されている V6ユニットは、とてもジェントルな性格を持ちます。
静粛性がすこぶる高く、トルクフルを持ち味とするフレンチV6は、イタリアンV6とは大きく性格が異なるのも面白いです。
走行中、エンジンの音があまりにも聞こえてこない位に静かなエンジンです。
(これは、搭載車両の防音性能によっても変わりますから一概にみな同じではありません。)

そんなV6エンジン、完調を維持する為には定期的に点火系統の部品を適正管理する必要があります。
これについてはどんな内燃機関も同じですが、V6の場合は整備性が悪いので気軽に行う事ができません。

冒頭画像では、V6のインテークマニホールドを取り外した様子を撮影しています。
横置き・FFレイアウトのV型エンジンは、後方のバンクの上にまたぐようにマニホールドが備わります。
前バンクはプラグもコイルも容易に点検が出来ますが、奥バンクはそういうわけにはいかず、さらにはマニホールドに覆われる構造上の理由から
熱がこもり易くイグニッションコイルに悪影響を及ぼす、というのは定番の話です。

今年の夏の暑さは強烈でした。猛暑ばかりの日が連日続き、エンジンをはじめとして車の構成部品の疲労度はとてつもなく影響が出ていると思っています。

イグニッションコイルの予防交換として、6本を同時に交換します。
今年の夏季休暇直前に、前バンクのコイルに不具合を発生し、応急処置により対応をさせていただきました。
その後の経過が安定しているとの事で、予防整備のご依頼を頂いた流れです。

そうなると、こちらも見ないわけにはいきませんね。
スパークプラグです。履歴を確認した所、前回の交換はタイミングベルト交換の際でして、距離にすると25000キロ前でした。
スパークプラグの交換目安は2万キロですので、良いタイミングで点検・交換をする事ができました。

最近のスパークプラグは減らないのですよね。
中心電極の耐久性が向上している事、接地電極の耐久性も向上している事、これらによりスパークプラグは従来品と比べると非常に耐久性が高まっています。

減っていないから交換しなくて良い。では無く、そこはルーティンでのサイクルを守りたい所です。
金属疲労という事も考慮し、過酷な環境下で働くスパークプラグは推奨交換距離を守りたいですね。

Written by Hashimoto

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