アバルト500のサスペンション・アップグレード


初期の頃のアバルト500は、サスペンションのリファインについてご依頼を頂きました。
そもそものご相談のきっかけは「右フロントから聞こえる異音について」でした。

原因を特定する為に試運転を行い、SDLテストによる点検も併せて進行する中で、ショックアブソーバ本体より異音が発生している事が判明。
永年乗り続けられているお客様のアバルトです。

過去に同様の音の修理を行う為に、何年も前ですが左右それぞれフロントダンパーのオーバーホールを行っています。
これまで使用しているショックアブソーバは、ビルシュタインのB14です。
距離を重ねると、大抵の場合は同じように音が出てしまう傾向があります。
修理を行えば、使えるのですが大き目の段差を越えた際に時折感じる「底付き」の症状がありますので、ストロークに限界があると思っています。

今回はオーバーホールでは無く、弊社のオリジナルサスペンションへの変更ご依頼を承りました。

セットアップさせて頂くサスペンションは、先日構築したニューバージョン
シリーズ3以前のモデルへのベストマッチを追求した製品です。

これまでご利用されていた B14とスフェリカルアッパー そして、これから組付けを行うニューダンパー。

純正のアッパーマウントにセットする為には、ネジ部のサイズ変更とトップの寸法調整が必要ですので、アウターケースから倒立のカートジッリを抜き取り
加工を行いました。


この様な感じに分解を行う事が可能な設計です。

フロントスプリングは再使用を行うのですが、干渉箇所の塗装剥げが気になりました。
僅かなレベルですが、この程度なら対策が可能。

干渉時のダーメージを緩和する サイレントラバー を巻き付けます。
長い期間使用してきたスプリングですが、外観的にとても良い状態を維持しています。

各部の組立てを行い、取り付けまでの準備を整えます。


前後共に組付けを完了。
これより試運転を行い、アライメント作業前の車高調整などセットアップの大詰め作業を行います。

Written by Hashimoto

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