プジョー207 クラッチ操作時の異音を修理


12カ月点検作業の為、お預かりをさせて頂いている プジョー207GT はクラッチペダルを操作した際に生じる「キコキコ」と表現できる金属質の音がとても気になりました。
室内で聞くとペダルの摺動部より発する音かと思いきや、外に出て音を確認するとより一層音量が大きく聞こえてきました。

外部から出来る限りの処置は行ってみたのですが、一向に改善はされず..
こうなると、直接的な修理はミッションを降ろして行う事が先決。
207のクラッチ・コントロールメカニズムは、一世代前の構造であり、レリーズシリンダは外部に備わります。

ベルハウスの中はフォークとベアリング・そしてその支持部のガイドの構成です。
冒頭の画像は、降ろしたミッションのベルハウス内を撮影したもの。

軽量フライホイールは何年か前に組み込み済みです。

今回の作業の中で気になったのは、お客様の使用環境に影響を受けているという事。
融雪剤の影響からか、各部に生じた錆の多さです。
これらが、クラッチのカバーなどにも生じており、ダイヤフラムにクラッチ操作力が及んだ際に音を発する事に気付きました。

レリーズベアリング及びその周辺の交換と、入念な潤滑を行い、減り量は少ないですがクラッチカバー・ディスクも新調。
更にはダイヤフラムスプリングの付け根・カバーとの接触箇所に特殊潤滑剤を塗布し、金属同士の接触面に対して長期的に保護効果を狙い、様々な処理を行いました。

サスペンションの違和感を感じた為、点検を行った所ダンパー性能に問題が無い事を確認済み。

そうなると原因はここが怪しい。
ストラット・トップマウントの劣化です。ストラットハウジングにボルト固定されるマウントでは無く、半浮動式である為にマウントラバーに劣化が生じると
途端に剛性の不足を感じる様になります。

過去に組付けた純正ショックアブソーバ用の車高調メカニズムは健在。

この機会に、固着を予防する目的でネジ部の清掃と潤滑・スプリングシートが動く事を確認します。
ここが固着すると、処置がとても大変になります。

引き続き、ブレーキメンテナンスも行いながら各部の組付けを進めます。
Written by Hashimoto

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