ホイールスペーサは厚みに合わせたロングボルトが必要


ホイールスペーサ・ワイドトレッドスペーサ は、呼び方違えど役割は同じ。
ホイールのインセット値を調整し、いわゆる「ツライチ」を実現するべくセットする為のパーツです。

セット方法の安易さから、ご自身で取付を行なう方も多いと思われるパーツとその作業ですが、確実な作業性を求めらる内容です。
その一つにボルトの選択が挙げられます。

求めるインセット値に対して、取り付けるスペーサの厚み。
その厚みにより、必要となるのが適切な長さのボルトです。
例えば、今回の例で言うと アバルト595に 3mm 厚のホイールスペーサが装着されていました。
3mmのスペーサは一見すると薄いのですが、それでもロングボルトは必要となります。
冒頭画像は、純正と同じ首下寸法の25mmと30mmの比較をしています。

3mmスペーサを装着し、純正サイズのボルトで固定をされていました。
たった3mmの差ですが、それでも純正ボルトでは十分なネジの掛かりが得られておらず、少し危険な状態です。
ホイールボルトは次の順番で、母体に対してネジをきかせています。
ホイール~ディスクロータ~ハブフランジ
ホイールにはそれぞれテーパー面が存在し、その次にホイールの厚みが設けられます。
ディスクロータはネジ山では無く貫通用の穴が空いています。
最後にハブフランジがあり、そこに雌ネジが存在します。
次の画像では、ハブフランジのネジ山に、ボルト(青マーク)が掛かっている様子を再現しています。

雌ネジに余裕(余り)がありますね。これが寸法が足りていない状況を意味します。

適切なサイズのボルトに変更します。
3mmスペーサを取り付けているので、純正の25mmボルト+3mm として本来は28mmが必要となりますが、設定が無いので 首下30mmのボルトを取り付けます。
と、その前に大事な下準備を。
先程の画像では、余った雌ネジには錆が発生していることが確認できます。
錆びたネジ穴にボルトをねじ込むと、新しいボルトのネジ山が痛みます。

適切なサイズのタップを通して、ネジ山をさらえます。


30mmのボルトでホイールを固定した状態です。
ほんの少し、ハブフランジからボルトの頭が出ています。この状態が正常という事です。
逆に長すぎるボルトの場合にも注意が必要です。
ハブからの突き出し量が多くなると、その先の構造物に干渉します。

弊社で取り扱うホイールスペーサに対してのお問い合わせも多く、同時にロングボルトについてのご質問も度々頂きます。
皆様のご参考になればと思い、今回の様記事をご用意しました。

Written by Hashimoto

関連記事