アバルト595 2度目のタイミングベルト交換


アバルト595は、弊社で行なう2度目のタイミングベルト交換にてお預かりをさせて頂きました。

今回は、10万キロを目前に控えていると言う事もあり、予防の意味でイグニッションコイルの交換もご案内させて頂いています。
コイルの寿命は平均的には10万キロほどでしょうか。
これは、点火システムが良い状態で稼働し続けた場合の目安と言えます。

この所気になるのは、あれ?コイルダメになった?というケース。
その原因の多くは、コイル単体の不具合ではなく、スパークプラグの状態悪化が原因となっていました。

どういう事かと言いますと、プラグに不純物が大量に付着する(これはオイル消費により、燃えカスが付着するという事)と、途端に失火傾向が目立ち始めます。

失火が始まると、コイルの仕事量が増えます。(同じ仕事をするにあたって、要求電圧が増える)
できれば少ない電圧で良い火花が飛ぶことが理想的です。

悪環境で働くコイルは、早期に寿命を迎えるという事ですね。気を付けましょう。

タイミングベルトの交換前は、エンジン冷却水を回収します。
お客様よりご相談を受けていたのが「クーラントが妙に黒ずんでいる」という事。
本当に黒ずんでいるのか、回収することで明らかになります。


タンクの見た目は汚れていたのですが、回収したクーラント液はとても綺麗なブルーでした。

ウォータポンプを取り外した際に確認出来る、ブロック内部に残る液体も綺麗なブルーです。

ポンプフランジは、残ったガスケットをキレイに除去。
ついでに、直ぐ側に位置するエンジン打刻もキレイにしておきます。

ベルト廻りの組替えを完了。
クーラントタンクも、新調しておきます。

ベルト廻りの作業にキリが付けば、反対側に位置するサーモスタットを交換します。
今回のアバルトは、サーモスタットが新車時より未交換であります。

それを判断するのに役立つのは、ホースバンドを確認する事。
純正は、増し締めの出来ない物で締め込んでいます。カットしなければ取り外しが出来ない構造ですので、その後は一般的なホースバンドにて締め付けます。

サーモスタットに取り付けられている、ヒーターホースは差し込み部から若干の水漏れが起きていました。
結晶化しているのはその為ですね。

外したサーモスタットの裏側は、タンク同様に汚れの沈着を確認しました。

樹脂製のワンタッチコネクタは、破損し易く、なおかつ欲しい箇所だけのリペアパーツは供給されません。
他車種流用ですが、在庫品にて組み替えを行ないます。

仕上げにV-UP16の取付も行いました。

この後は、クーラントの交換を行ない、試運転~最終チェックを行い、作業が完了します。

Written by Hashimoto

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