組付け時は経年劣化をビシビシ改善


グングンと組付け作業を進めているのは、フライホイール交換を行なったアバルトです。
年数経過の影響と、過去の組付けがあまり良く無いという状況が色々と気になりましたので、改善を進めながら進行中。

冒頭画像はサブフレームを固定するボルト M14とM12です。外して気づいたのですが、リジカラが組まれていました。リジカラを組む際は、カッパーグリスをボルトとカラーそれぞれに塗布するのがセオリーです。

外したボルトとカラーを見て思うのが、無給油状態で組まれていた事です。

カラッカラのドライ状態です。その結果、アルミカラーとスチールの異素材組み合わせにより発する、電蝕現象が起きていました。これらを防ぐ意味でも、グリスをしっかりと塗る必要があります。

ボルトとカラーを洗浄し、防錆塗装とネジ山の改善を行い、組み付けに備えます。

ボルトホールの状態も、修正が必要な状況でした。ネジが綺麗に入っていかないのは組み付けの邪魔をします。

分解時にズボ抜けた、ギヤシフトのリンケージエンド。対策品に組み替えて、ラバーブッシュが誘発するダルな印象を一新させましょう。

シフトフィーリングの改善に効果あり!

トランスミッションマウントは、点検の結果再使用が可能な状態でした。

一度交換済みなのかな?

対するこちらは、エンジンのロワマウント。

購入時より装着済みであった強化マウントが詰め込まれています。

この手の強化パーツは、普通に快適に走らせたい方にとっては全く不要な物なので取り外します。

変な言い方ですが、強化パーツが良い仕事していました。隙間に詰め込んでいたおかげで、ノーマルのラバーマウントが全く劣化していません。きっと、強化品を組み込む際に部品交換をしていたのでしょう。何キロ使ったかは分かりませんが、とても良い状態を維持していました。

これで不快な振動が消えて、快適になります。

各部の改善を行いながら組み付けを進めました。サブフレーム搭載も終え、マフラーパイプとフレームは見た目も一新!ここだけ見ると、新車より綺麗に仕上がっています。

そして、最もいい加減な処理を施されていたのは、ターボホース。

なんじゃこれ?ですよね。切断して繋がれています。なにがあったのだろうか。これを見て気づくのは、以前はフロントマウントインタークーラが装着されていたのでは?という事。分解中に、それに関する箇所に誰かの手が入っているのが見え隠れしていました。

車を手放す際に、外したのかな?そんな印象を抱きます。

即刻オーダーして、本来の形に戻します。

気持ち悪いですもんね、変なホースで繋がれてたら…。

最後にお客様が気にされていた、タイミングベルトの状態チェックを行います。

交換履歴が把握できておらず、現物確認を行いましょう。という事でチェックすると、思いの外良い状態であることが確認出来て一安心。

バンパーなど残りの組み付けを行い、試運転に出かけたいと思います!
Written by Hashimoto

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