デュアロジックのトラブル?
1速もバックもどこにも入らない!


イプシロンは駆動系トラブルにより、自力走行が不可能になりました。
レッカーでの引き取り~トラブル探求を行い、作業を進めています。

デュアロジックのトラブルは、時間を少しおけばECUにてリカバリーが完了し、再度動かす事が可能な場合と、慢性的に故障を抱え動く事が出来ない場合の
2種類に分類されます。
どちらのケースもお客様にとってはとても深刻な問題。

今回は、クラッチアクチュエータを動かす際に必要となる消費電力が増えた為、ECUが動作を停止した状態でした。
実際の測定値をモニタリングすると、1.6Aを推移する消費電力である事が分かりました。
その原因は、レリーズベアリングの破損からくるもの。

盛大な異音と共に金属の焼ける臭いと、樹脂が焦げる臭いを放っていました。
ベアリングとして認識出来る形は残っておらず、本来は一体の部品ですが分離した状態になっていました。

レリーズフォークの摺動部には段付き摩耗が生じており、動きが重たくなった状態において長い時間動き続ける事により摩耗が進んだ物と思われます。

損傷を負ったベアリングの相手側「クラッチカバー」にも、その爪痕が残されていました。
正常で有れば僅かな面積の接触となりますが、潰れたベアリングにより接触面姓が増加し、また摩擦による加熱の影響も出ていました。

フライホイールを取り外し、新しいクラッチカバーを組み合わせて単体テストの施工を行います。

デュアロジックに優しいクラッチカバーの組み合わせ。
作動重量は78キロ。
重量データのサンプリングを始めてから、新たに気付くことも増えてきました。
マニュアル車に用いるクラッチカバーは、作動重量が重たく設定されています。

これらのことから、デュアロジック車にマニュアル用のクラッチを組み合わせると、デュアロジックシステムが検知する作動電流値が上がる為に正常作動の妨げになります。


車輌側へ各部品の組み付けを行い、トランスミションの洗浄と、フォーク及びベアリング類の組み替えを行い、車体側へ組付け復旧を進めます。

この所は、ミッション関連の作業が非常に多く、直近で言えば1日1台ペースでクラッチ交換を進めていました。
これより、毎週末に1台ずつ程のペースでそれらの作業が入庫します。
夏本番を迎えますが、皆様も体調を整えて暑い夏を乗り切りましょう!
夏前にはエアコンのメンテナンスもお忘れ無く。

Written by Hashimoto

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