レッドポイントにおけるメンテナンスの第一歩目はやはりコレ!
度々取り上げるには理由があります。
ステージ1メンテナンスは、ラテン車全般に必要な整備ですので当社では整備を開始する
段階でその車輌における電圧ロスの状態をチェックし、電気回路が正しく・効率良く循環している
かを診断しています。
特に年数経過を重ねた車輌には電圧ロスが多く発生しており、それが原因によるトラブルは
非常に多いです。
ですから、トラブルに向き合う前に、必ずといって良い程に電気の整備が必要です。
作動電圧が足りていない・電圧ロスが多い、そんな状況では車は正しく動きません!
電気の流れは肉眼で見る事ができません。
でも、電気の行った仕事は目や肌で感じる事ができます。
例えばヘッドライト
スイッチをオンにすれば、前方が明るくなり、後方には尾灯が燈ります。
これはヘッドライトスイッチを通過した電流・電圧がそれぞれの灯火部において発光する仕事を
行った為です。
当り前の様ですが、プラス・マイナスの接続が正しくなければこの結果は得られません。
それぞれたった1本の配線での話ですが、双方が効率よく接続されているからこその結果なのですね。
では、ここで最善の結果を得る為の条件の何かが欠けていると、どうなるでしょう。
マイナスの接続先の状態が悪かったり、プラス配線のどこかに結線不良が発生していると?
右に比べて左は明かりが暗いな、や時折消えてしまう。といった具合に目で見て分かる
不具合が発生します。
この様な状態の場合、問題の発生箇所では抵抗値増大による発熱を誘発しています。
注目すべき点は、発熱です。熱を発することも電気にとっては仕事でもあります。
熱線ヒーターや、オーブントースター、半田ごてなどは電気を熱に換える事でその仕事を
まっとうした事になります。
でも余分な所で発熱すると、本来の仕事を完了できず残念な結果となってしまいます。
過去に、この電圧ロスの怖さを分かりやすく解説した記事を作っています。
興味のある方はそちらもご覧下さい。
上記のようなアナログテスターにより、電圧ロスを測定する事が可能で、擬似的に電流負荷を与える事による
電圧ロスの発生具合を確認する事も可能です。
アルファロメオのV6スパイダーです。
GTV・スパイダーはバッテリの搭載位置が座席後方の為、ステージ1メンテナンスは特に必須な車種といえますね。
スパイダーは運転席後ろ側に、GTVはトランクルーム前方に搭載されています。
搭載位置と、主要電装品は近いのが理想ですが、スペース的問題や重量配分を考えると一概にそうとは
言えません。
GTV・スパイダーは電圧ロスを少しでも減らそうと、通常の車輌よりも太い配線を最初から備えています。
プラスケーブルは、エンジンルームまで延びていますが、アースケーブルはボディに接続される1本のみで終わりです。
この様な車の場合は、いかに効率良くアースを前方まで伝えるかが重要です。
長いケーブルを引き込むのではなく、要所を捉えて最短で効率よくが基本です。
ターミナルは最重要項目です。
純正装着品は、接触面積が少ない事に問題があります。
これまで装着されていたターミナルを外し、その部分を拡大して見てみると。
うっすらと2本のリング状の筋が確認できます。
ポストに対して、たったこれだけしか接触できていません。
これでは大電流が必要なスタート時には苦しいはずです。
なので、この部品に交換しています。
当社での使用歴はん十年と永く、もっとも信頼できるターミナルです。
接触面積が多く、素材が頑丈で通電性も良い品物です。
このように、車の電気について真面目に考える整備をお望みの方
ステージ1ベーシックメンテナンスをご用命下さい。