んん~?DS5にスフェリカルアッパーのセットアップ
独創的なご相談をいただき、内容を噛み砕き解釈。からの実行で今回の案件の作業です。
エレガンスヒーローなフレンチラグジュアリー DS5 にまさかのスフェリカルアッパのセットアップを行うという、これは前代未聞なプロジェクト。
先日、ナルディステアリングをフィッティングしたDS5です。
ステアリングフィールにキレが欲しい・確かな接地感とインフォメーションを掴みたい。そんな内容でのご相談でした。
スフェリカルアッパー、組めなくは無いだろうけど、組んでしまって良いものなのか?ラグジュアリーじゃなくなるかもしれないよ。
色々と交錯しますが、サスペンションについては今後のアイデアもある事だし、先ずはやってみようか。
DS5にはRCZや308用のスフェリカルアッパーが使用可能です。
今回の案件については随分と前にご相談を頂いており「いつか組むから」という事で、在庫品のラスト1SETをご購入頂いていました。
いつかはエナペタルダンパーを組みたい!という野望もあり、それにはデータサンプリングも必要・製作ベースのコアも必要そんな流れでビルシュタインのB4をバックオーダーしました。
ちなみに、B4のDS5用は国内設定品では無いので本国オーダーを手配。待つ事数ヶ月、部品が揃ったのでいざ作業開始です。
B4は新品をデータサンプリングとしてエナペタルさんに依頼済み。
ビルシュタインB4ダンパー+ノーマルスプリング+スフェリカルアッパー
スプリングの形状がぴったりとフィットするのか?不安はありましたが、問題無くクリア。
スプリングの上側には、金属同士の干渉を和らげるため、サイレントラバーを追加で取り付けしています。
純正コンプリートと、今回の異例な組み合わせコンプリート。
全長・ストローク共に全く同じに仕上がっています。
スフェリカルを組付けて、左側はストラットの組み込み完了。
勢いに乗って、右側も組付けを!と思ったら、忘れ事を思い出しました。
「エンジンのロワマウントに亀裂が見付かったので、アシを分解した際に交換しましょう」としていた事を。
危うく組付けるところでした。
最近にしては珍しい構造、昔ながらのプジョー・シトロエンのロワマウントはドライブシャフトを抜き取らないと、ブラケットが外れてきません。
近年はトルクロッド方式が主流ですからね。
ブラケットを外して、マウントをクイッとこぜると「亀裂さんこんにちは」です。微振動・揺れ幅の増大の原因につながります。
油圧プレスで抜き換えを行うのですが、うかつに抜くと、組付け角度を見失うのでマーキングは必須です。
ラバーの形状がビフォア・アフターで異なります。仕様変更でしょうか。揺れ幅が小さくなる構造に変化しています。
純正部品の仕様変更は個人的には好みです。
メーカーの考える事や、方針の変更・もっとこうした方が良いのでは?という形の現れですからね。
組付け復元に続きます。
Written by Hashimoto