フィアット500 デュアロジック車 クラッチ系統整備が外待ち状態
このところの入庫内容で多い作業が、クラッチの交換をはじめとするトランスミッションに関する作業です。
この1カ月、そのような作業のお問い合わせが非常に増えました。
中でもフィアット500 1.4Lデュアロジック車が群を抜いて多く、
重整備を必要とする車が増えてきたと言う事ですね。
走行距離は、色々ですが7万キロ~9万キロを走行した車輌が対象となります。
本日も、1台同様な作業を進行中ですが、既に完成した車輌を参考記事にしました。
お待たせしているお客様、もう暫くお待ち下さい。
近頃の工場の状況は多種多様な作業が入庫しており、重整備を手掛けながらその他の作業も進行し
何かとバタバタしています。
そのせいか整備中の画像は残せていても、車輌全体画像は撮影できておらず、メカニカルな画像しかありません。
そんな中、トランスミッションが降りました。
今回の車輌は FIAT500 1.4Lデュアロジック 走行距離は9万キロ越えです。
シフトの変速不良が頻繁に出る様になり、クラッチのフィーリングもスムーズさに欠けてきたので
作業に踏み切りました。
この機会に、足回りのリファインも同時に施工します。
ドライブシャフトのブーツが破れていたので、同時に交換です。
最近は、ドライブシャフトブーツの耐久性が向上し、破れるといった事態はあまり目にしなくなりました。
ほとんどの車が、プラスチック製のブーツに変わっているからでしょうね。
オイル交換でリフトに上げたら、ホイールの裏側がグリスでベタベタ...掃除も大変..というケースは
現代では皆無です。
でも、ブーツが破れないだけで、内部のグリスは劣化している事をお忘れなく。
破れてなくとも、ユニバーサルジョイントの状態を保つ為には数年に一度のグリス交換・ブーツ交換を行うのが
ベストです。
ジョイントに使用するグリスはモリブデンを含んだ、粘度の高い物を用いますが、メンテナンスのために長年使用した
ブーツを開けると液状化(劣化の進行した)したグリスが流れ出てきます。
そのまま使用を続けると、ユニバーサルジョイントが傷みます。
1.4L・100馬力のクラッチは消耗が早い様です。
デュアロジックやセレスピードは半クラを機械任せで行う為、クラッチを長持ちさせる上手な半クラの使い方が
マニュアル車の様にはコントロールできません。
ゴー&ストップの多い日本の道路状況では確実に早期に消耗してしまいます。
今回も、使用限度ギリギリのところでした。
フェーシングを留めるリベットが露出する寸前ですので、フライホイールに傷が付く手前です。
何とか間に合いました。
フライホイールボルトは塑性ボルトを使用している為、規定の低トルクで仮締めを行った後に
角度指定で締め付けを行います。
これまでの走行過程で汚れの蓄積されたミッション本体は、綺麗に洗ってから組み付けます。
この洗うという作業は、当社では日常茶飯事に行う作業です。
手掛けた箇所を、しっかりと洗浄しながら作業を進める事により、年数経過と走行距離を重ねた車輌であっても
各部を美しく維持できます。
整備性が向上するのも大切な要因です。
今回、合わせて交換する大物部品があります。
デュアロジックアクチュエータです。
作業の打ち合わせ段階で、交換する方針だったのですが、お預り後にアクチュエータの不具合で走行不能と
なった為、タイミングとしては非常に良かったと言えます。
アクチュエータは、消耗品の集合体であると同時に、悪くなった箇所を個別に交換する事も可能ですが
個別に交換を行うと最終的な部品の合計金額は非常に大きくなります。
また、部品本体の信頼性も向上している為、2度・3度と同じ様な修理を繰り返すよりもまとめて交換する事を
最近はお薦めしています。
足回りは、元々組み込み済みであったビルシュタインのB14を一層良い物へとすべく、スフェリカルアッパーを
組み付けます。
クラッチの作業を行う際は、サスペンションも分解済みである為、単独施工よりも作業費用はお値打ちにご提供可能です。
ダンパートップボルトの可能が必要ですから分解し、ケース及びその他のパーツを洗浄します。
今まではノーマルのアッパーマウントを使用していましたが、素材がゴム製な為、劣化速度が速いです。
特に、車高調整式の様な形状を組み合わる時は耐久性・得られる性能などを考慮しスフェリカル化をお薦めしています。
スフェリカルアッパーについては工場通信内で専用ページを設けています。
サスペンションテストによる結果が、路面粘着率の向上について不動の地位を確立しているパーツです。
同じショックアブソーバとスプリングであるに関わらず、乗り心地・路面への追従性に大きく変化をもたらす
スフェリカルアッパーマウントはフローティングマウント式車輌のサスペンションチューニングには不可欠な
アイテムとして当社では生産・組み付けを行っています。