アルファロメオ159 タイロッド内浸水により恐ろしい状況に!
当社では珍しい車種、アルファロメオ159が入庫しました。
当時は156との比較からか、大きすぎるという声や、イタリア車らしく無いなどと囁かれていた車種ですが
それから数年が経過し、逆に魅力が光る車になっていました。
どっしりとした安定感・マニュアルミッションによる操作感・2.2Lの排気量が生み出すNAならではの
余裕のある走り、どうして発売当初にこの魅力に気付けなかったのでしょう。
今回の159は、走行中のステアリング系統の違和感のご相談でした。
各部の点検を進めていくと、恐ろしい事が起きているのが判明しました。
ステアリング系統の重要部品 タイロッド部の異常なまでのガタが発生しています。
ステアリングラックブーツを外すと、さらにおぞましい光景が!
どうしてこんなに?という位に錆びています。
その錆が進行し、タイロッドの重要な構造部であるボールジョイントが消耗し、そこに大きなガタが生じています。
修理にあたっては、純正ではステアリングラック本体のみの供給の為、社外品を用意しました。
赤茶けた錆に包まれたボールジョイント部は、よく見ると外周に黒いリング状の影があります。
この部分が、錆による消耗で生じた隙間です。
このまま消耗が進行すると、最悪の場合は抜け落ちてしまい、ステアリング操作不能に繋がります。
間一髪のところで修理できました。
159は、巨体に見合った大きなバッテリを搭載していますが、そこに繋がるケーブルはとても貧祖です。
ターミナルも電圧ロスの大きい物が付いていますので、電気の流れは最低です。
メインアースケーブルは、ボディアース一箇所のみという、当社の取り扱い車輌の中でも最も効率の悪い
状況でした。
両ターミナルの交換・メインアースケーブルの追加・オルタネータB+ケーブルの追加、の一連作業を行い
電気負荷状態での各部への電圧供給が正常になりました。
今後も、159は真面目に整備を行い、完調状態の個体を増やしていきたいと思います。
159用のビルシュタインダンパーも過去に製作済みです。
ビシッとした159に仕上たい方、いかがですか。