ジュリエッタの水漏れ修理は想定外に大変
この事例アバルトも当てはまります
車検整備でお預かりをさせて頂いている、アルファロメオ・ジュリエッタ 1.4 マルチエアーエンジン搭載車の作業です。
リフトアップし、下廻りを点検している際に気になったのが数秒に1回のペースで滴る冷却水の漏れ。
オイルエレメント取付部の奥の方から漏れている様に見えますが、実際の漏れ箇所はある程度の分解を行わなければ特定出来ない箇所です。
流れた水の経路を見る限り、ウォータポンプ・ブロックプラグ・ウォータパイプ これらのいずれかが該当する様に思えます。
問題となるのは、作業性の悪さです。
ウォータポンプ及びブロックプラグでは無い事が判明。そうなると、ウォータパイプと絞り込めます。
ウォータパイプガスケットを交換するには、ヒートエクスチェンジャを取り外す必要があります。
ヒートエクスチェンジャとは、オイルエレメントが装着されている水冷式のオイルクーラーの役割を担う箇所。
結果的に冒頭画像で並べた部品を取り外しました。
なかなかの分解です。
これがウォータパイプと、そのガスケット。
昔ながらのフィアットエンジンに見慣れていると、すぐに理解できる構造です。
これがある意味、フィアット系の車造りの良いところ。大きな変更はつけず、従来の方式を採用し続ける。
上手な車造りをしています。もう少し交換作業性が良いとうれしいですね。
スチールのブロックに取り付けられるガスケットですから、ブロックに発生した錆が原因で水漏れが発生するのでしょう。
シール面に錆が生じると、異物となりシール性能が低下しますからね。
同時に、エンジン水温管理のサーモスタットも交換します。
新車から未交換であった事もあり、丁度良いタイミングであったと言えます。
樹脂製のジョイントパーツは、ホースの差込口がポキッと折れました。こういう事が運転中に起きると水漏れが生じて運転の継続が出来なくなります。
フィアットは樹脂パーツの使用率が少なく、厄介なトラブルを起こすリスクは低いと言えます。
それでも破損に対する注意は必要ですね。
ちなみに、今回の作業がアバルトの場合はより一層施工性が悪く大変な作業になります。
冷却水の適正管理を定期的に行う事で、未然に漏れを防ぐ。という予測事例もあります。
クーラントの劣化により、ブロック及びウォータライン内を適正に保つとされています。
エンジンオイルやミッションオイルの様に、交換する意識が低いのがクーラント。
名前もロングライフクーラントと呼ぶくらいですので「交換しなくてよい」と思いがちですが1年サイクルを推奨しています。
Written by Hashimoto