トラブルが発生する前で良かった!
695エディツィオーネ・マセラティ
軽量フライホイールへの交換作業を進めている695エディツィオーネマセラティは、クラッチカバーの不具合検証を行います。
冒頭画像は、今回の作業で使用する大物部品から小物部品を整列したもの。
サーモスタット交換はミッション不在の際に施工を済ませておくと、コスパに優れた交換を行えるのでお勧めです。
今回の検証内容は、降ろしたミッションを見てビックリ。レリーズの一部にカバーが干渉していたという事例についてです。
新旧のクラッチカバーを並べました。
弊社オリジナルの軽量フライホイールキットは、タイプがA/B/Cの3タイプをご用意しています。
どの車両にどのタイプが該当するかについては、車体番号を基に絞り込むことが可能。
今回の695エディツィオーネマセラティは、Cタイプが該当する事が分かっていましたので、その部品一式を用意しています。
取り外したクラッチカバーが画像左側
新しいクラッチカバーが画像右側
問題のダイヤフラムスプリングの形状が異なる事が、真上から見ても分かります。
角度を変えてみてみると、ダイヤフラムの中間が盛り上がっている事が判明。
対する、これから組み付けるカバーは先ほどの場所がフラットな形状です。
この形なら、レリーズアクチュエータに干渉する事はありません。
それぞれのクラッチ機構を、車両に組み付けられている際の形を再現しました。
デュアルマスフライホイールに、これまで使用してきたクラッチディスクとカバーを組み付けています。
カバー単体の時よりも、ダイヤフラムの形状は落ち着きましたが、中央部の盛り上がりは依然と残ります。
軽量フライホイールに新しいクラッチキットを組み付け。
見事に平らな形状になりました。
干渉しそうな気配は全くありません。
クラッチカバーのダイヤフラム角度は、ディスクが減れば減るほど立ち上がりますから、あと少しクラッチが減っていたら、カバーがレリーズに当たり異音を発していたことでしょう。それと共に、高額なアクチュエータのセンサー部にダメージが及び、クラッチが切れなくなっていたと想像できます。
総合的に考えて、早期にトラブルの芽を摘むことが出来て良かったです。
普段は外した物の作動確認は行いませんが、こちらもチェックしておきました。
クラッチが切れるまでのストロークを確認しておきたかったからです。
引き続き作業を進めて行きます。
Written by Hashimoto