2.0HDi ディーゼルのタイミングベルト交換


シトロエンC4 ピカソ Blue HDiは走行距離が12万キロを越え、これまで未施工であった箇所のメンテナンスについてご依頼を頂きました。

長く乗る上ではずせない整備と言えば、タイミングベルト。これは基本中の基本ですね。
管理を怠り、万が一トラブルを起こせばその代償はとても大きな修理が必要になります。
車種・搭載エンジン・使用用途によっても適正交換時期は様々です。

イタリア車&フランス車の場合、大凡の目安は4~5万キロ。これは今も昔も変化はありません。
ただ、これについてはガソリンエンジン車の話でして、今回のメンテナンス車輌はディーゼルエンジン搭載車ですので
概念は少し変ってきます。
ディーゼルエンジン=タフな設計、この肩書きは本当です。今回のC4ピカソのメンテナンスを行っていて感じました。
タイミングベルトについても、10万キロは余裕で使える気がします。

各部のメンテナンスをスタートします。
ベルト交換にあたり、右のフロントタイヤ・右のフロントインナライナを取り外す事で、タイヤハウスから覗く全貌が見えて来ます。
の、はずですが見えて来ませんでした。。

こういう所で、ディーゼルエンジン設計の強固さを実感します。
補記類ベルトは大抵の場合、表に露出しているのですが、そこさえもフルカバーで覆われていて、簡単には姿を見せません。

大きな樹脂製カバーを外すと、ようやくプーリー類が見え始めます。

表への露出を避けることで、2次的原因のダメージ回避に貢献する。というところでしょうか。

タイミングベルトの構成自体はシンプル設計です。
表側から見るとシングルカムですが、奥側でギヤトレインによる駆動を行い、2本のカムシャフトが回転します。
この構造は、アバルト系1.4L DOHC と同じです。

強靭なベルトは、素材感が一般的なベルトとは異なります。
厚み・適度な硬さとコシがあり、僅かなひび割れは確認できるものの、そのヒビをものともしない様子がうかがえます。
若干ヒビの入ったベルト表面の質感は、使い込んだレザー製品の様に見えます。
恐るべし高耐久系エンジンです。

今回は初めての作業となる為、随所に専用工具の必要性を感じました。
今後に備えて、必要となりそうなSSTも入手済みです。
ATモデルでの施工は、クランクシャフトロックの為にセルモータを取り外して行います。
整備所情報ですと、マニュアルモデルの場合はセルモータの取り外しは不要との事。

トーショナルダンパー付のクランクプーリも交換です。


次のベルト交換は25万キロあたりでしょうか。
タフ・高耐久には理由があると感じる作業でした。
Written by Hashimoto

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