アバルト ビルシュタインのリファイン
足廻り関連作業が継続的に続いています。
新規交換によるリフレッシュや、オーバーホール・仕様変更 ・新製品の開発などなど、様々なご依頼を頂いています。
今回は、アバルト500に関する作業をご紹介します。
メイン作業は、12ヶ月点検としてお預かりをさせて頂いており、点検を進める中で現在装着中の足廻りに劣化箇所を発見しました。
どの様な手段で修理を行うかを、打ち合わせさせて頂いた結果、以前使用していたビルシュタインをストックしてあるとの事でした。
そちらの製品をリファインし、組替える流れにまとまりました。
製品は、ビルシュタインB14 改 E12加工品(E12加工はエナペタルさんが行う減衰力調整式の名称)です。
こちらの減衰特性を、変更してのオーバーホールをさせていただきました。
ダンパーに関して示す言葉に、オーバーホール・仕様変更・新規作成とありますが、意味合いとしましては以下の様になります。
◆オーバーホール
現在使用中のダンパーのメンテナンスを意味します。
破損箇所が有る場合は必要に応じたリペアを行います。
基本的には原状復帰が目的です。
◆仕様変更
上記と同時に行う事が多いです。
リペアの際に減衰特性に変化をつけます。
新規作成した物の味付けを変更する場合は、仕様変更のみとなります。
◆新規作成
リペアでは満足のいかない場合や、より良い物を必要とする場合に新設計にて作成する事を意味します。
例えば、シリンダ・ピストンサイズを大きくしたい、別タンク式にしたい、など大幅な変更については新規作成を行います。
オーダーメイド品についても受注が可能です。
これらのサービスはきめ細かな内容を国内にて施行が可能な為、レスポンスに優れている事が魅力です。
E12加工品は、ダンパー上もしくは下側に備わるダイヤルを回す事で 伸び・縮み 両方の減衰力をコントロールします。
時計廻りに回せば硬くなり・反時計回りに回せば柔らかくなります。
減衰段階は12段です。
基本のセットは、一般市販品のビルシュタインB14がベースです。
リヤダンパーの容量アップを計らい、太いピストンを用いて新規作成を行いました。
減衰特性は、当社のオリジナル車高調の現行品と同じセッティングとして仕立ててもらっています。
フロントも同じく、現行品の様な特性をイメージし、造り替えています。
フロントスプリングは、この製品を組付けた当時の物を再使用します。レートは4キロ。
ご覧頂いたように、既製品組み替えでは無くこれまで使用していた製品に新たな息を吹き込み、リファインするという作業を行っています。
それにより、結果的により良い物がご提供可能になるという事です。
足廻りについて、お悩みの場合はご相談を頂ければと思います。
Written by Hashimoto