シリーズ3までのアバルトに増えてきそうな事例
エンジン・チェックランプが点灯し、フェイルセーフモードが介入し、出力制限が掛かってしまう。というトラブルでシリーズ3アバルトがレッカー入庫しています。
故障発生時の情報を以下に記します。
◆加速と同時にブーストメーターの表示が2.0barを指す
◆それと同時に警告灯が点灯
◆その後はブーストの掛かりが悪くなりもたついた状態に陥る
◆エンジン再始動後はチェックランプが消灯
◆再度加速すると同様の状態に陥る
以上がおおよその発生内容です。
調べを進める中で、手がかりとなるのはブーストの異常値です。
この場合、センサーが異常値を発しているのか、実際に値がおかしいのか。
センサー異常か機械的不具合かを見極めます。
ちなみに、診断テスタから得られる情報は薄く、ブースト値の異常という内容が残ります。
こういう場合、先ずは機械的不具合の考察から始めます。
ブースト制御を行うのは、ブーストコントロールバルブです。
電磁バルブにより、ブーストの上がり過ぎを制御します。
タービンに接続されるバキュームホースが破断していて、ブーストコントロールの不可能な状態になっていました。
リペアパーツを使って、バキュームホースのみを交換し、残留エラーを消去。
その後の試運転では正常復帰し、何事もなかった状態に復帰しました。
今回の様に、容易に治るエラーはトラブル事例の中では稀でして、発見までの道筋が近かったです。
テスターは「バキュームホースが切れているよ。」という事を教えてくれる事は有りませんので、一歩間違うと解決には遠回りする事もあります。
年末に向け、慌ただしさが増してきました。
出来る限りトラブルシュートの作業入庫からは距離を置きたい状況ですので、皆様のお車が快調である事を願います。
Written by Hashimoto