うわぉっ!失火寸前のスパークプラグ!
ギャップと火花の関係性の話


タイミングチェーンの交換が進行中のDS3は、組み付け時の工程の際にスパークプラグの状態悪化に気付きました。
冒頭画像は、新旧のスパークプラグ画像です。
向かって右は取り外した物。左は新しいスパークプラグ。
中心電極の消耗の激しさが目に付きます。

純正プラグ品番「PLZKABR7A-G」のプラグギャップ規定値は「0.8mm」という事がテクニカルデータより読み取れます。

実際の測定値は「1.1mm強」でした。
測り方によっては 1.2mm ともなります。
対基準値の0.4mm越えという事になります。

対する新品のBOSCHスパークプラグは 0.8mm でした。

スパークプラグはギャップが命、とも言える程に需要な項目です。
ギャップが広がると、どうなるのか?
答えは「失火を招きやすくなる」です。

その答えに対する見解は様々です。
点火システムが強靭であれば、ギャップが広ければ力強い火花を放ちます。
逆に、点火システムが強靭であっても、ギャップが狭ければとても小さな火花となります。

ギャップの広さは、火花の強さに直結するのですが、それは点火システム次第という事になります。

広いギャップに安定した火花を飛ばすには、それに見合った強いコイルが必要になる訳ですが、見合っていない場合は火花を飛ばせずに失火を誘発します。
電力が必要なのですね。

ですから、規定値・基準値における数値は、標準の点火システムが安定した火花を飛ばす事が出来るマージンを持った値といえます。

今回の車輛は、あと一歩で失火を招く寸前だったと読み解けます。
ギャップ広がり、電力を必要とすればイグニッションコイルにも負担が掛かります。
ギャップが狭ければ、電力消費は抑えられるものの、得られる火花は普通になる。

いろいろな事が絡んでくる話ですが、良い火花は良い燃焼を得る為には必要不可欠です。
点火システムの確実な診断により、エンジンをベストな状態に保ちましょう。

余談ですが、当社が度々装着する「V-UP16」と言う商品があります。
これは点火電圧を昇圧し、力強い火花を飛ばす事が出来る様にするための電気部品。

例えばですが、今回の1.1mmギャップのスパークプラグであっても、V-UP16が装着されていれば失火のリスクは減り、0.8mmよりも力強い火花を放つことが可能になります。

コイルの1次側電圧が上昇すれば、2次側電圧は増幅により出力が上がります。

たかがスパークプラグですが、とても大切な役割を担う部品。
定期的な点検は大切ですね。
Written by Hashimoto

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