クラッチ・コントロール・アクチュエータの交換
単体チェックも織り交ぜて
ライトウェイト・フライホイールの組み付け作業進行中のアバルト595 MTAです。
冒頭画像は、クラッチの操作をECUと連携して行う アクチュエータ です。
通常のマニュアルミッション車では、クラッチを踏めば油圧が伝わり、クラッチを切ったり繋げたりする部位です。
MTAの場合は、電子制御となる為に高額な部品というのが難点。でも、ここが後々何らかのトラブルを起こしては困りますので今回は新調します。
ご利用いただく方々にとても喜んでいたけるのが「SessA MAXI CLEAR」です。
MTAやデュアロジックの作動油ですね。
低温流動性能に優れ、高温時の油膜維持も優れる高性能作動油です。
油圧ポンプの駆動抵抗を低減し、ポンプ負荷を低減することから、ドアを開けた際の準備駆動音が静かになる事が特徴です。
シフト操作が軽快になり「システムがスムーズに作動できる」事を実感出来ます。
とても透明度が高い事も特筆すべき点。
明らかに何かが違う、と伺えます。
クラッチアクチュエータが、ハウジング内部で行う事を単体テストで行い、クラッチ作動の正常・否を確認します。
クラッチが繋がる・切れるについては、動画の様な事がクラッチハウジンで行われています。
カバーのダイヤフラムを押し込む操作で、クラッチディスクが切り離されます。
これにより、エンジンの回転力がトランスミッションに伝わる事を遮断します。
そうすると、ミッション内部の回転が停止しますので、任意のギヤへ変速が可能になります。
色々と点検・組み換えを終え、フライホイールをクランクシャフトに取り付けました。
締め付けトルク管理は
「20Nm.のトルクで締め付けた後に 50°の角度で締め付けます」
それにより60Nm.から65Nm.の力で固定されます。
アバルトはM9ボルトで、ロックタイトが塗布されたボルトを使用します。
ツインエアーもM9ボルトですが、ロックタイトが無い物となります。
1.2LエンジンではM8ボルトを使用する事が多い様です。
エンジンの排気量や出力により、サイズが異なるのがフライホイールボルト。
M10以上のサイズである事が多かったですが、フィアットアバルトに携わる事が増え、M9に触れる機会が増えました。
たかがボルトサイズですが、メカニック目線ではそのエンジンを知るうえで重要な情報です。
この後、クラッチ関連の組み付けを行い、トランスミッションを搭載します。
Written by Hashimoto