GTV 3.0L サスペンションリファイン
ローダウンは卒業!ノーマルライクに仕上げます
昨年に、打ち合わせをさせて頂き部品手配をしていたのですが、数ヶ月の期間を経てようやく揃いました。
GTVに KONI STR.T この組み合わせが好みです。
あくまで個人的な意見ですが、GTVやスパイダー (916型)は上品・上質な仕立てが車の性格・デザインにマッチすると思っています。
ローダウンした途端に不自然な印象に様変わりするという、マイナスイメージが先行する気がします。
当時としてはお金の掛かったサスペンション構造(リヤがマルチリンク)を持つ事が特徴のGTV、メーカーの意図を尊重した整備を心掛けています。
今回のお車は、購入当初からローダウンスプリングが組み込まれていました。
純正ダンパーにローダウンスプリングですので、持ち味を活かせるわけの無い組み合わせでした。
純正比30mm近いローダウンを果たすスプリングですから、純正ショックアブソーバが良い子にしてくれるわけも無く。。
減衰性能は低下し、V6 3.0L を搭載するフロントヘビーなGTVを安心して走らせる事に迷いを感じる状態でした。
取り外したフロントスプリングと、これまで使用してきたローダウンスプリングは全長が大きく異なります。
純正のスプリングを入手することが出来て良かったです。
分解中に驚くことが有りました。
最低地上高を稼ぐためか、フロントストラットマウントとボディの間に嵩上げ用のワッシャがセットされています。
こうすると車高は上がりますが、重たいフロント荷重をしっかりと受け止めることが出来なくなります。
マウントのスチール部には変形も伴っていました。
生産終了しているマウントですので、状態維持には気を使いたいところです。
バンプストップラバーと、ストラットブーツを新調し組付けを行います。
フロントのかじ取り装置、タイロッドは大き目のガタつきを発していたので、新調します。
ラック内部を潤滑するグリスを引き直します。
リヤ側もスプリングを組替え。
マルチリンクでとても贅沢な構造です。
私たちの取り扱うお車の多くがトーションビーム構造です。それもあり、リヤのアシが個々に稼働するという事に羨ましさを感じます。
調整機構が多く、アライメント調整については「やるべき事が豊富にある」という事になります。
ブッシュ連結の箇所もあれば、ピロボールの箇所もあり。贅沢な構造のサスペンションです。
余談ですが、GTVとスパイダでは、ブッシュとピロボールの比率が変ることも興味深いです。
リヤショックアブソーバも組替えて、全体的な組み付けを終えました。
この時点ではサスペンションブッシュの締付けを行っていませんので、4輪アライメントの施行の際に測定台に設置し1G状態にて各部の締め付けを行います。
きっとめちゃくちゃ良い乗り心地になっているに違いありません。試運転が楽しみです。
Written by Hashimoto