直噴ノズルの交換作業
プジョー207GT


故障診断と不具合特定の難易度が高い、直噴エンジンのノズル交換作業です。
診断テスタによるエラー内容から推測し、ノズル本体の噴射状態のバラつきの可能性を疑い、交換作業を行う流れとなりました。

エンジンのECUは、車の不具合を検知する事により何らかのエラーを入力する様に作られていまして、エラー内容が直接的に不具合部品を現す事が出来る場合と、そうで無い場合とがあります。
故障診断の流れの中で難しいのが、燃料噴射装置における場合ですかね。ノズルは電子部品ともいえるので、プランジャーが断線していたりするとECUは直接的なエラーとして認識してくれます。
ですが、稀に噴射状態がおかしいなどと言った場合は、部品の不具合を特定する事は難しく遠回しな解釈処理を行ったエラーとして入力します。

直噴ノズルの場合、装着されている位置が難儀な場所でして、インテークマニホールドを取り外したその奥に位置する為、分解はなかなか大変です。
もっと気軽にノズルを外せると、定期的なクリーニングのご案内もさせて頂けるのですけどね。。


マニホールドの取外しが完了。外してくると、シンプルな構造です。この周辺の構造が結構な曲者です。

冒頭の画像と、同じ部品。こちらが直噴ノズルです。
燃料ポンプでエンジンルームまで供給されたガソリンを、機械式昇圧ポンプで高圧に昇圧し、エンジンのシリンダ内へ直接噴霧します。
エンジン内部の圧縮圧に負けない圧力が必要な為、かなり頑張らなくてはいけないのが直噴ノズルの宿命でしょうか。
燃焼行程中に生じる吹き返しにより、吸気ラインとノズルには多量のスラッジが付着してしまいます。これも直噴エンジンの宿命。
外したノズルの先端はガッシリとカーボン汚れが付着していました。

ノズル内部の汚れまでを確認する事は出来ませんが、吹き返しによる汚れはノズル先端に留まる事無く蓄積していくことが想像できます。


見比べると「新しいノズルの先端はこういう形状なのね」と改めて認識するシャープな形状をしています。

組付けを行い、しばらくの間は試運転を行い様子を見たいと思います。
Written by Hashimoto

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