DS3レーシングはバルブタイミングの適正化


車検整備と合わせて、これまで未施工であった冷却系統の整備を行ったDS3レーシングです。
続いては、こちらも定番作業のバルブタイミングの適正化を行います。

走行距離は4万キロ台と少ないのですが、低走行距離に対してのタイミングのズレは大きかったです。
冒頭画像はSSTをカムシャフトにセットした状態です。吸排気のカム位置がずれている為、ツールは全く勘合しませんでした。

デジタル角度計で確認すると、インテーク側 2.9度のズレが生じています。

エキゾースト側は控えめながら1.6度のズレ。

測定手順の第一段階として、ヘッドの平面部を使ってキャリブレーションし、ゼロ点を調整します。

油圧テンショナを交換しますので、その際にチェーンの伸び具合の確認も行いました。

それぞれのカムシャフト位置を適正化。
SSTが気持ち良く勘合する状況をご用意出来ました。

組付け時に気になったのがコレ。
カムカバーガスケットに塗布されていた大量のシリコンガスケットが、組付け時にグニュっと潰され溢れ出たのだと思いますが、カムシャフトの位置検出部に付着し、硬化していました。

カムシャフト位置はマグネットセンサで、回転しているカムシャフトの切り欠き部にセンサが反応し、信号を出力します。
その為、異物が付着すると位置検出を上手く行うことが出来なくなる可能性もあります。

カムカバーの取付面を清掃・脱脂し、この後組み付けを行います。

エンジンの調子は復活し、新車時のパワフルで静かなエンジン性能を取り戻すでしょう。

現代の車ですが、こういった基本のアナログ部について、本来の状態を保つことで驚くほどに車の調子は復活します。
ブーストアップばかりがチューニングでは無く、やはり基本に忠実で有る事がとても大切だと実感できる作業です。
Written by Hashimoto

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