アルファミトにSessAオリジナルサス+スフェリカル 車高を上げずにロードクリアラスを確保します
今回もミトの足回り変更です。
もちろん、スフェリカルも組み付けます!
今回は、少し趣旨の異なる車高調整式サスペンションの組み付けです。
足回りを変更したい方の殆んどが、乗り味をシャキッとさせたい思いや、車高を下げたいという思いをお持ちでありますね。
今回のご相談は、それの後者とは逆でした。
自宅の駐車場に入る際、フロントバンパーの下側をよく擦るので、アシは換えたいけど、下げたくないと。
お、興味深いご依頼だな、と閃きました。
車高調整式サスペンションは、ローダウンも可能ですが、高さの現状維持も可能、
さらには各部の高さを任意に調整が可能であります。
そして、どのように調整しても、ダンパー機能が純正と比べて格段に向上する為、不快かつ不安定な乗り心地にはなりません。
今回は、車高調整式サスペンションを使用しながら、車高は上げず、それでいて擦りにくい、魔法のようなセッティングにしてみました。
アルファロメオ ミト イモラです。
作業前のサスペンションチェックを行いました。
その結果は?
う~ん。リヤショックアブソーバ完全に機能を果たしていません。
これでは走行中不安定になるばかりか、乗り心地も悪くなります。
ふわふわした、接地感の無い足回りですね。
そこで、足回りを一新すべく今回はこれらのパーツをご指名いただきました。
SessAオリジナルセッティングサスペンションSET
スフェリカルアッパーマウント+ローフリクション・スラストベアリング
そして、今回のキーポイントでもある車高を上げずしてロードクリアランスの確保。
これがどのように変わるのかを比較する為、作業前のバンパー下側を測定します。
擦り傷の沢山付いた、バンパー最先端部と、水平地面との隙間は 作業前:145mmです。
それでは、足回りを分解し、各部の組み付けを行っていきましょう。
合わせて、スフェリカルアッパー組み付け時のポイントについてもご説明を。
作業前のストラットと、アッパーマウント部。
アッパーマウントは、既に疲れきった様子です。
スフェリカルアッパーとローフリクションスラストベアリング、構造物を並べました。
組みつけに伴い、グリスの塗布が必要な箇所を羅列します。
まずは、スラストベアリングの台座でもあり、スプリングアッパーシートでもあるこの部分。
ここは、外部からの水・埃の浸入を防ぐ為にシールリングを入れています。
回転箇所ですので、シールリングにはシリコングリスを塗布します。
スラストベアリングは3ピース構造ですので、まずは下側のプレートの座る箇所に密着を高める為の
ベアリンググリスを塗布・その後ベアリング本体にも同一グリスを塗布・そして上側のプレートにも塗布。
次に、これらのフタの役割を兼ねたアッパーケース内側に塗布後、2つの部品を組み合わせます。
組み合わせ後に、ズムーズに回転するかを確認します。
続いて、アッパーマウント側。
こちらはアルミ削り出しの為、最終的な締め付けトルクに負けてカジリを発生するのを防止する為
カッパーペーストを使用しています。
センターロック機構のボルト及び、ナット、ワッシャーそれぞれにペーストやエアゾール式を使い分けて塗布します。
組み付けを終え、サイドショット
意図的に車高を上げた様子はどこにもありません。
むしろ、ん?気持ち低いかな?といった仕上がりになっています。
これで本当にロードクリアランス稼げてるの?と思いますよね。
では、測ってみましょう。
作業前の145mmに対して、作業後:160mm その差15mm!
不思議ですよね。
フロント側のホイールアーチ~地面までの寸法は変えていません。
ポイントは、リヤ側にあります。
ハッチバック車にありがちな、妙に高いリヤの車高。
ここをあやつる事で、フロント側にまで影響を出していけるのです。
「車高調を付ける=車高を下げる」では無いという実態でした。
肝心なフィーリングは、クイックかつスポーティなフィーリングでまるで別物な仕上がりを実現しています。
スフェリカル開発中に、左右異なるサスペンションでの結果もご紹介しています。
詳しくは→進行状況レポートをご覧下さい。