207 1.6 NAは続いてタイミングチェーンの交換


ステムシールの交換を終えたプジョー207は、17万キロお疲れ様という事で、タイミングチェーンの交換も同時に行います。

分解前の確認で分かったのですが、驚くほどにタイミングに狂いが無かったこと。
と、言うのもこちらの207にお乗りのお客様は、半年点検として定期的にご入庫を頂くほど、愛車の維持管理に向き合う気持ちが真っ直ぐです。
オイル交換をきっちりと短いスパンで行って来た結果でしょうか。チェーンの伸びは殆ど有りませんでした。

とは言っても、チェーンガイドと呼ばれる周辺部品は樹脂製。茶褐色に染まり、素材劣化は否めません。
ガイドを交換するならもちろんチェーンの交換も。となるのがまっとうな流れです。

カム廻りの組み付けがまだ残っていますので、そちらについても進めています。
画像は、カムシャフトシールの新旧比較。
カムシールと言っても、よくあるシールでは無く、役割はVVT制御用のオイルラインを密閉する為のもの。
素材が変更になった様です。
元々は金属製のピストンリングの様な構造のシールです。これをPTFF素材の物に変更します。
馴染みや密閉度の問題から、素材変更となったのでしょう。触り心地は独特です。

カムシャフト周辺部品は、綺麗に洗浄を行い、組付けています。
アルミ素材への汚れ沈着は殆ど無く、トレント洗浄機により一発でご覧の美しさに復帰しました。

最後にエキゾーストカムを組付けます。組付け時にもカムシャフトを押さえ込む事が目的のSSTを使用。

途中、意味の分からなかった「エキセントリックシャフトのギヤ部」ここの制御についても理解が出来ました。
エキセントリックシャフトのカム山が、インテークバルブのリフト量を決めているのですね。
後方にエキセントリックシャフトを作動させるアクチュエータが存在していて、そこが画像中央の歯車を操作します。

なので、画像はギヤをスタート位置に戻した状態ですが、この状態ではバルブリフトはゼロという事。
全ては燃費の為ですね。

吸気バルブが開かず、吸入空気量が少なくなれば、それに合わせて燃料もほんの少しでよくなります。

エキセントリックシャフトの組付け・インテークカムの組付けにはSST複数と、トルクレンチは2本体制、その他ハンドツールを多用しての組み付けとなりました。

元々気になっていた、チェーンカバー側からのオイル漏れも組付け時に修正を行いました。

組付け後は、オイル下がりが治った恩恵か、エンジン始動直後の違和感(異音やラフアイドル)がすっきりと解消され、エンジンもキビキビと回ります。
喜んで頂ける事でしょう。
Written by Hashimoto

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