106S16はエンジン不具合を未然に予防できました
ブレーキ関連の作業を終えた106S16は、他にも気になる事がありましたので点検作業を続けます。
試運転の際に微かに違和感を感じた症状→「アクセルオフ時のエンジンブレーキの際に微量なエンジンのブレがある事」です。
アクセルオフの際は、インテークマニホールドに働く負圧値が最も強くなります。
その際にエンブレの効き具合に違和感を感じるという事は、インテークマニホールド負圧が一定では無い可能性が有ります。
106では稀に、インテークマニホールドを締め付けるボルト及びナットが緩んでしまっている事がありますので、そちらの点検を行いました。
点検の結果は、見事に緩みが見つかりました。
画像中央にシルバーのボルトが見えます。
シリンダヘッドに取り付けられたスタッドボルトに、ナットが取り付けられています。
この状態が正常です。
隣のナットがどうかと言いますと。
明らかにスタッドの先までナットが出てきています。
緩んでいる証拠です。
他にも危うい箇所が見つかっています。
今度はスタッドボルトでは無く、キャップボルトです。
わざと緩めて撮ったんじゃない?と言われてもおかしくない程に、緩み出ていました。
こういう箇所が他にも複数存在しています。
インテークマニホールドは、9本のボルトで締め付けられています。
そのうち正常に締まっていたのは僅か3本のみでした。
ガスケットの交換を行い、確実に取付を行います。
原因としては、組付けられているガスケットが潰れる事でボルトに若干の遊びが生じ、緩み始めたボルトは自然とは締まらずに緩み続けますので今回の状態にまで進行したものと思われます。
定期的な増し締めが出来ればベストですが、場所が場所だけにその機会は滅多にありません。
強いて言うならば、ステージ3メンテナンスの施工時でしょうか。インジェクターノズルを外す際には直近箇所までアクセスが可能です。
インテークマニホールドからの2次空気混入は、スロットル全閉時のみならず走行中にも発生しますので空燃費の異常に繋がります。
ガスが薄い(リーン状態)状態となる為、燃焼温度が上昇し触媒にダメージを及ぼしたり、バルブやピストンに悪影響を与える事も考えられます。
点検は大切ですね。
20年以上の期間106に携わり、ウィークポイントを把握し蓄積を続けています。
この先も新たな発見があると思うと、単一車種に長く携わる事の意味を感じます。
Written by Hashimoto