406 クーペはブレーキキャリパのリファイン
ブレンボ&リヤ キャリパのリペイントとO/H


プジョー406 クーペはブレーキの整備として、キャリパのオーバーホールを行います。
新車から20年が経過し、これから先の事を考えて制動性能の維持を保つべく、ご案内をさせて頂きました。

今回の作業は以下の内容となります。
前後ブレーキキャリパのオーバーホール
フロントブレーキディスクロータの交換
前後ブレーキパッドの交換

それぞれのキャリパーの分解を行い、内部の点検・ピストンの点検・各部の清掃を行います。


この形状のリヤキャリパーのオーバーホールを行うのは初めてです。
殆どの車は、リヤブレーキキャリパにはハンドブレーキの機構が備わるのですが、406の場合はハンドブレーキメカは別体構造となります。

当社で分解・洗浄を行った後に、塗装作業の為に外注依頼をしています。

塗装作業には足付け処理が必要となるのですが、ブレーキキャリパの様な形状の場合は研磨用のツールでは細かな所まではサンディングを行う事が出来ません。
作業をスムーズに行って頂けるように、当社でウォータブラスト処理を行い、油分などはトレント洗浄機による高圧洗浄にて下処理を行った上で依頼をしています。

ロゴの大きさや形状によりますが、デザインがシンプルな場合はステンシル的にペイントで表現する場合もあります。
今回は brembo のロゴはペイントにて再現をしました。


このようにキャリパーの外観がリフレッシュし、生まれ変わりました。

ここからは当社に戻ってきてからの作業となります。
キャリパーシールを用意し、組み付けを行います。

リヤキャリパーは、スライドピンの構造が特殊でした。潤滑性能を長持ちさせるべく、ピンの外周にはスパイラル形状に溝を設けています。

前後共に、ブリーダスクリュは新品に交換します。

最終的なフルード交換とエア抜きの際に、ブリーダのネジ山外周からフルードが湧き出てくる事が多く、塗装へのダメージを避ける為にちょっとした工夫も施して組付けます。

前後共に、ブレーキパッドは交換します。コチラはフロントブレーキパッドです。
SessA 低ダストブレーキパッドを使用します。
ロングライフで、ロータへの攻撃性が低くあらゆる車種用に設定をご用意しています。

フロントディスクは、秘蔵品のブレンボ製 スリットロータをセットしました。
ローターへの攻撃性の低いパッドとの組み合わせにより、末永くご利用頂けると思います。


リヤディスクの消耗は、ごく軽度なレベルでしたのでステイプットペイントによる化粧直しで、綺麗になったキャリパーとのバランスを整えました。
ブレーキの性能・安全性を維持すべく年数経過を経た車には、キャリパーのオーバーホールが必要不可欠です。
純正供給の難しい内部部品も車種によってはありますが、色々な手段で入手し自社ストック体制を整えています。
Written by Hashimoto

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