パンダ・クロス はハロゲンバルブ⇒LEDにコンバージョン


パンダクロスのお客様より、ヘッドライトを明るくしたいとのご相談から、BREX製 LEDバルブをご案内させて頂きました。
ツインエアーエンジン搭載で、アイドルストップ付きですので電源供給はPWMであることを前提に作業を開始します。

ハロゲンバルブの状態で、オシロスコープによる点検を行うも、一定時間が経過しても、エンジンを掛け直してもPWM制御が始まりません。
今回、取り付けを行うパンダクロスは当社で行うパンダの中でも最も新しいモデルです。制御方式に変更があった様に思えます。
同型車への取り付けの際は、今後は注意深く見ていく必要がありそうです。
ハロゲンバルブの消費電力は流石に大きいです。約60ワットですので、明るいLEDバルブが約30ワットですからおおよそ倍の消費となります。

単体点灯させているのは、BREX製のLEDバルブです。作業灯にしたい位に明るいです。

最近はBREX製品がお気に入りです。品質・明るさ・出来栄え すべてが納得の商品です。
車両側のスペース的問題から、取り付けの可否問題はありますが、可能な場合はBREXをご案内しています。

取り付け後は光軸の調整をテスタを使って行うのですが、発光部の角度調整が可能という事も特筆すべき点です。
お客様は、そんな事はあまり考慮しない点かも知れませんが調整を行う側としてはとても大切な事です。

角度調整が必要な理由は、ハロゲンバルブとLEDバルブの発光点の違いに有ります。
ハロゲンの場合はフィラメントが光を放つため、ガラス管の中の発光はほぼ全周に渡って光を発散します。
LEDの場合は、発光点がピンポイントで光る為に明るい場所と、全く明るくない場所が存在します。
発光しているLEDを正面から見ると眩しいですが、90度程向きを変えると全く眩しく無くなります。

ヘッドライト内部のリフレクタ(反射機構)は発散する光を集光し、ピントを合わせて路面へと照射する為にLEDの明るいところを上手くピント合わせする必要があります。

ですから、光軸調整はヘッドライトの調整機構を使って上下・左右を合わせる事に加えて、バルブの照射角度も合わせる必要があります。

こちらは、うまく光軸調整が行えた時のテスタ内部の状態です。
エルボー点と呼ばれる中心点から、左上がりでカットが表示されています。(右側通行の車の場合は右上がりのラインとなります)

こちらは、上記の状態からLEDバルブの角度を変えてピントをずらした状態です。
光が右上がりに照らしており、全体に焦点が合っておらずぼんやりとした印象です。
これでは対向車が眩しいばかりでなく、路面照射も不十分な為に暗く感じます。


ライトバルブの角度は垂直では無く、僅かに傾いた状態でベストな光軸を実現できました。
これは装着するヘッドライトにより変化します。
LEDバルブの性能をしっかりと活かす為には、事前の車両確認~最終調整までを入念に行う必要があります。
Written by Hashimoto

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