アバルト124スパイダーはカーボンクリーニングから開始
ステージ3メンテナンスの施工
アバルト124スパイダーは、ステージ3メンテナンスのご依頼を頂きました。走行距離は2万キロ台半ば。初のカーボンクリーニング施工には最適な時期であります。
オイル交換も、カーボンクリーニングも、メンテナンスのし過ぎという言葉は当てはまらずだと思います。
極端な言い方をすれば、走る度にオイル交換とカーボンクリーングを行っても良いという事です。
蛇口を捻ればオイルが出る。そんな環境なら毎日オイル交換します。
そう言う極端な例を考えられる事も、車に対する愛情かもしれません。「1万キロ交換しなくても良い」「減ったら足せば良い」オイルは秘伝のタレではありませんので、積極的に交換しましょう!
最近は、オイル交換のスパンが長い方が多い様に感じます。
「5千キロ走ったら」というお声をよく聞きます。そんな皆様方はせめてあと千キロ早めに交換してあげましょう。当社の推奨は3千キロ毎をご案内しています。
カーボンクリーニング施工にあたっては、車両側の燃料供給を停止する必要がありますので、車種別になりますが最適な方法で燃料ポンプを停止します。
124スパイダーの場合は、バッテリ横のヒューズにより電源回路を遮断する事が可能でした。
その後はクリーニングマシンのデリバリーホースを、適切なアダプタを介して車両側の燃料ラインに取り付けます。
クリーニング液をマシン内部に注入した後に、適切な燃料圧力に設定をし、エンジンを始動させる事が出来ます。
エアインテーク系統のクリーニングも同時に行いますので、インテークマニホールドの負圧が取り出せるラインを使い、洗浄液を流します。
ステージ3メンテナンスは、油脂類交換やフィルター類の管理も含まれます。
純正エアエレメントを使用している車の場合は、エレメント交換を。スポーツタイプの洗浄式エレメントを使用している場合は、洗浄~給油を行います。
BMCのOTAを装着しているお車ですので、内部フィルタのメンテナンスを行いました。
別のメニューになりますが、追加作業としてブレーキフルードの交換を行いました。
電気式圧送機を用いて、フルードの交換を行います。この際に必ず必要になる物がリザーブタンクに取り付けるアタッチメントです。
124のタンクキャップは、私たちの多く扱うキャップ形状とは異なります。おそらくマツダ系の車に用いられる形状なのでしょう。
ブレーキパーツメーカー Ate のアタッチメントSETに含まれる物が形状が合う事に救われています。これが無ければ昔ながらの足踏み式での交換作業となってしまいます。
ABSやASR・ESP といった 電子制御ブレーキ装置の車が殆どの昨今は、ブレーキ回路が複雑である為、エアーもしくは電気式の圧送作業が必須となります。
ブリードスクリュを緩める際に役立つのが、ハゼット製のブリーダーレンチです。フロントはスペースが広い為に不要ですが、リヤ側はキャリパ装着位置の都合上、ストレートレンチではうまく入り込まない為にご覧の様なクランク型レンチが役立ちます。
画像はありませんが、エンジン・ミッション・リヤデフ・クーラントといった全ての油脂類交換も行っています。今回の124はトルコン式のATでした。トルコン式の場合、トルクコンバータと呼ばれる部分の作用でエンジンの力をミッションへと伝達します。ここでの伝達効率の向上が、滑りの無いトラクションへと繋がるのですが、オイル性能により大きく差が出る部分です。
当社で常用しているオートマチックフルードは、伝達効率と油温上昇の抑制にとても効果が有り、乗って分かる・体感できるお勧めのフルードです。
124での使用前後の印象は、滑りとまではいかない微量な損失が気になっていましたが、その印象が全く無くなり、確実な動力の伝達を確認できています。
車は整備・メンテナンスの内容を、しっかりと体感効果として現すものです。一連の作業を行う事で、感性に届く性能を体感する事ができます。
トータルメンテナンスの一環にステージ3メンテナンスはお勧めです。
Written by Hashimoto