スフェリカル・アッパーマウント 第三弾 開発中!
FIAT500系・DS3系と続き、第3弾のアッパーマウントの開発が始まりました!
と、言いながらDS3の完成がまだなんですけどね。
今回の対照車種は?
はい。
今度もフィアット系です。でも、アルファロメオも入ります。
今の所、分かっている範囲で申し上げますと...
アルファロメオ ミト 全車
フィアット グランデプント&プントエヴォ 全車
フィアット パンダ3
ランチア イプシロン3
こんなところでしょうか。
ミトやグラプン&エヴォ乗りの方々、ウズウズとしてきましたか?
ところで、何故当社がこのところ、スフェリカル化にこだわるか?もう一度おさらいしましょう。
近年のコンパクト欧州車に採用される事の多い、フローティングタイプ・アッパーマウントは
その物自体の剛性の不足・ゴムによる劣化・走安性不足、とこのテの車の足回りに多く携わった
当社だから分かるデメリットが多く存在しています。
特に、足回りを変更している車輌の場合その劣化速度の加速度と言ったらなかなかのもので、
純正マウント交換と合わせて足回りを変更していたとしても、持って1年ほどでしょうか?
悲しい事にガタがでます。
ガタがでると、せっかく調整したアライメントデータは残念ながら無駄になります。
なぜなら?アッパーマウントの遊び=アライメントデータの乱れ だからです。
(ストラット角度が変わると、キャンバー・キャスタ・トー それぞれの値に変化が出ますよね?)
遊びのある状態で4輪トータルアライメントを詰めて調整しても、ひとたび動き出せば変化してしまいます。
アルファミトやプントで、車高調整式サスペンションを組んでいるけど、
「なんか最近フロントの接地感が弱いな~」とか、
「段差越えや、停止時、車庫入れの時に変な音が出るんだよな~」などの自覚症状がある場合
大体の場合がココの遊びによるものです。
遊び?にピンと来ない方は、こちら の記事をご覧下さい。
また、過去に取り上げているスフェリカルに関する記事はコチラや、コチラも面白いです。
500用の完成のお知らせは コチラです。
さて、おさらいを終えたところで、今回の試作品をご覧頂きましょう。
まずは、ノーマル形状ストラットに適合するように設計しています。
車高調整用は、既存のアッパーシートとの組み合わせですので、問題ありません。
そして今回はこんな試みも☆
スプリングアッパーシート(ノーマルストラット用)です。
ここに仕掛けがありまして。
スラストベアリング入ってます!
しかもかなり薄型ですので、車高の変化が無く、スプリングの動きや、旋回時の動きをスムーズにします。
シールリングも組み込んでいますので、防水対策も万全です。
そして、今回はPOM-BCという素材を用いて、ボディとの接触部に樹脂が入るようにしました。
この加工が少々?難儀だったようです。
マエカワエンジニアリングさんのブログで、苦戦の様子が伺えます。
左:スフェリカル
右:ノーマル
組み付けるとこんな感じになります。
かっこもよく、剛性感もしっかりありそうです。期待☆
今回も、センターロック式を採用となりました。この止め方、非常に良いです。
トルクがしっかりと掛かり、不安な気がしません。
防水処理もバッチリです。
せっかくの構造物は見えなくなりますが。
そして気になる結果は?BOSCH SDLテストを行ないました。
今回は、面白い実験を行っています。
右:スフェリカル 左:ノーマルな状態で1回目のテストを行ないます。すると...?
かなり興味深い結果が出ました!
スフェリカル装着後の路面粘着率に注目!
物凄く違います。
え?アッパーマウントだけで?
はい。そうなんです。まるで違います。
どういう意味かといいますと、硬い物に変更しているのだけれど、決して跳ねていないということです。
路面の動きを的確に捉え、ロードホールディング性能を向上させているのですね。
つまり、アシがちゃんと動く・確実な仕事を出来るようになる。と言う事と解釈できます。
ダンパー交換を行わず、この結果が出るのは嬉しい限りです。
この後、左右ともにスフェリカルに変更し再度テストを行ないました。
ビシッと揃いました。
ゆるぎない結果ですね!
試乗できる様に当社のイプシロンに組んでいます。
気になる方は是非、ご来店下さい!
今回、スフェリカルにして強く思った事を述べます。
ブレーキング時の安定感がまるで違います。
ステンレスブレーキホースを装着したかの様な、コントロール性能の高さ、安定感を感じます。
ブレーキ時に、ステアリングに不安定な動きが伝わらないので、試しにどんどん制動力を上げます。
すると、ハンドルを殆んど握っていないに関わらず(テストだからですよ)、ABSが作動するところまで制動を与える事が出来ました。
つまり、ノーマルマウントの場合、荷重変化にともなうストラットの剛性不足から、ステアリングに常に振動や
不安要素を与えていたのですね。
スフェリカル病み付きです。