タイミングベルトが~!!
106s16 ベルト劣化が凄かった


個性的な顔つきが特徴の106s16です。特徴を決定づけるのがフロントバンパーの素地風仕上げによる点です。本国で安価なグレードの106はカラードバンパーでは無く、素地仕上げのバンパーが装着されており、その仕様に近付けるためにオーナーの好みで仕上げられております。

本来は青色のバンパーだったのですが、樹脂風塗装により食らいつくように観察しても樹脂にしか見えません。塗りで上手く再現出来ています。

この106のオーナーは、当社が鈑金・塗装を依頼する会社の若大将の車です。
当社のサイトでも「樹脂風塗装」というワードで紹介する事がありますが、その仕上げを生み出した主が、こちらの106のオーナーです。

フロントバンパーには飛び石などでダメージを受ける事が多く、そうする事で下の青色が顔を出してくるのですが、その様な箇所が無いのに驚きです。
記憶では、この仕様になったのは随分と前と記憶していますが、永年に渡り美しさを保っているのは流石プロの仕事です。

白ボケしない、新品の樹脂の美しさを保つ樹脂風塗装はお勧めです。

そんな彼の106ですが、「時間の有る時で良いのでタイミングベルトの交換をお願い!」と伺っておりました。前回のベルト交換から随分と時間経過していますので、不安になりお預かりし作業を開始します。
ちなみに、当社の整備メニュー紹介の中にあるステージ3メンテナンスの更に奥に、カーボンクリーンの神髄ココにあり!として記事があります。その中でシリンダヘッドを分解し、オーバーホールしている106があるのですが、その車がこの106です。以前のオーナーの際に行った作業です。

ベルトカバーを開け、内部を確認すると「ウガっ!」な状況が眼に入りました。

ベルトの背がヒビヒビです。この状態は相当ヤバイですよ。今日切れてもおかしくない。そんな状態です。よくぞここまで持ちこたえてくれました。

あと、めちゃくちゃ大変だったのがウォータポンプの固着です。
106のウォータポンプは、昔から外れ辛い事で有名です。年数経過と共にその状況も更に厳しくなってきました。
ボルトは2本のみですが、スチールブロックにアルミのポンプボディがはまり込む構造でして、錆やらなんやらで固着して外すのに苦労します。

これが、今回取り外したウォータポンプです。見るも無惨な姿での摘出です。
過去最高に外れませんでした。エンジンを降ろそうかな。。と考えた位です。

1時間半ほど格闘し、取り外せました。ボディは、外力により粉砕しています。

画像中央部あたりに穴が見えます。そこにウォータポンプは装着されます。狭いので、効率よく力を掛けるのが難しいのですね。

カムスプロケット内側の摺動箇所と

カム側のハブの摺動部

この2箇所は、錆を落とし、薄くグリスを塗り、綺麗にスライドする必要があります。

こんな感じですね。チューニングパーツのカムプーリと同じ構造が純正採用されています。ベルトを正しく張る為の機構ですが、バルブタイミングの微調整用とも言えます。
ココがスムーズに動く状態で、タイミングベルトを張る必要があります。

ピストン位置の検出・カムシャフト位置の調整を行い、組み替えが完了します。


組み戻しの際に、エンジンマウントも交換しました。純正品が生産終了しておりますので、社外品に頼り新調となります。

よくお客様から、部品がもう無いでしょ?と聞かれますが機械部品に関しては殆ど問題無く作業を行うことは可能です。
国内調達の難しい部品は、海外より取り寄せています。部品に関してはほぼ心配ご不要な環境をご用意しています。
Written by Hashimoto

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