アバルトグランデプント全塗装前のメンテナンス

2021年10月30日

アバルト・グランデプントエッセエッセは、以前より打ち合わせを進めていた内容に着手すべくお預かりさせて頂いています。
一通りのメンテナンスを施工した後には全塗装が控えておりまして、その後は継続検査となります。

まずはタイミングベルトの交換に着手しました。
ベルトのゴム質状態は、中の中でしょうか。ウォータポンプからは水漏れが始まっていました。

気になったのは、エンジン打刻の有るはずの場所に永年の汚れが蓄積しており、確認不能な状態に。。
この画像では、全くもってどこに打刻があるのかは不明です。

しっかりと掃除すると。
ほら、くっきりと確認出来るようになりましたでしょ。厚化粧気味だったウォータポンプ・フランジのシリコンシーラもスッキリと除去。
車検に行って、エンジン打刻が確認出来なければ困りますからね。

ただベルトを交換するだけでは面白くない！っと言う事で、お楽しみパーツを盛り込みます。
「SessA アドバンス・クランクプーリ」の取付です。
1.4ターボ・マルチエア・ファイア系ＮＡエンジンと、様々な車種への取付が可能な機能的なチューニングパーツです。
それと合わせて、リブベルトを張る為のテンショナベアリングの交換も行いました。

クランクプーリに込めた仕掛けは、点火タイミングの進角を行えると言う事。
これはなかなかピンっと来ない方も多いと思いますが、エンジンはあらゆる条件が一致して初めて正常に始動する事が出来ます。
吸入空気量・燃料噴射量・バルブタイミング・点火制御をはじめとし、とにかく様々な条件が揃う必要があります。
その中の重要要素点火制御の中のタイミングを意図的に進める事を可能とするのが、このクランクプーリです。
点火タイミングを進めるとどうなるのか？

超駆け足で簡単に言うと、「パワーが上がります」
純正のECU内にプログラムされた点火タイミングは、余裕を持たせた値となりますので良くも悪くも普通なのですね。
ECUの内部データ書き換えは大変な作業ですので、今回の様にパーツ変更によりそれ同等の効果を得る事を目的としたのがこの製品です。

青ペンのマーキングの位置が変化しているのが分かると思います。
この稼働域が、クランクプーリによるアジャスト可能な範囲です。マーキングをした黒色の部品は、エンジンの回転信号を検出する「クランク角度センサー」です。ここに対して進角を認識させることで、エンジンの点火タイミングの変更が可能です。