ルノー クリオ2RS GF-BF4 の冷却チューニング
水温上昇に悩む場合の解決方法
ルーテシアやクリオと言えば、3RS(ABA-RF4C)が圧倒的にメジャーな存在となった当社ですが、先代の2RSのユーザーさんも頑張っています。
こちらは、先日LSDの組付けを行った車両です。
随分と前から、水温上昇についてお悩みでした。
普通にアイドリングで置いておくと、後付けメーターは100度をキープ。サーキット走行を行えば120度を上回る水温となります。
純正の水温計がとてもアバウトでして。上記の状態であっても平然と中央付近を示しています。
後付けメータが110度や120度となっても、意外にも大きくは振れませんでした。車両側水温計の表示がアバウトなのか、間違っているのかは定かではありません。
根本的な修理を行うよりも、クーリングファン制御を換えてしまった方が確実だと判断しました。
ファン制御を換えるというのは、既存の制御を使用せずに別回路にてクーリングファンを作動させるという意味です。
冷却ラインのクーラントを抜くところから始めます。
真空状態で沸点を下げ、リザーブタンクから吸い出しています。この時、クーラントの性能を判断する事が可能です。
良質なクーラントは、吸い出している間の冷却水は泡立ちを起こしません。エンジン内部において、キャビテーションを防止する効果が望めます。
クーラントが良く無いと、この時点で泡立ちちより回収機の頂上まで沸き上がり、オーバーフローとなります。
ご覧の様子は、泡立ちが無いと言えます。
ちなみに、当社のSessAブランド クーラントを使用しています。
新たに水温センサーを取り付ける必要があるので、PT規格のテーパー状になったタップにてねじ山を刻みます。
そこにセンサーの取り付け。このセンサーは、クーリングファン駆動用の温度管理センサーです。
サーモスタットは、89度から75度に変更。今までよりも早目にラジエタに冷却水を循環させます。
電動クーリングファンは純正品(既存品)を使用します。
ファンが回転を始める温度を任意での調整が可能となります。今回は試しに90度で回転を始め、85度で停止という値に調整しました。
エアコン付きの車両ですので、エアコン回路にも介入させる事でコンプレッサーの通電に合わせて、電動ファンが回転する様にセッティングしています。
後付けのメーターにより、不安を招く場合もありますが、モータースポーツユースの場合 水温・油温・油圧 はしっかりと把握できると良いですね。
今回使用した回路には、上記の様な補足説明書が付属していました。この内容を特筆し明記する製品は滅多に無い気がします。親切だと思いました。
Written by Hashimoto