プジョー3008 車検整備の一環のエンジン調整
10万キロを越えた3008は、車検整備と合わせてこれまでのお疲れ部位を正します。
普段はお客様のお車の整備を行う身ですが、休日の施工で我が家の車に手を掛けました。
このところ、気になっていたオイル漏れの一箇所目は、オイルエレメントブロックからの漏れでした。走行後にオイルの焦げた匂いが漂っていたので、推測はしていましたが漏れ量は結構多かったです。。漏れたオイルは、触媒付近に落ちる為に高温で熱されます。修理には必要個所の分解としてエキゾースト関連を分解します。
この部分は、距離を走ると必ず漏れてきます。言ってみればウィークポイントですね。オイルエレメントの取付部ですので油圧経路であり、さらには冷却水も循環していますので悪化すると水と油が混じる危険性も備えています。ガスケットの交換により殆どの場合は対処が可能です。
もう一つのオイル漏れは。。こちらも定番箇所です。
カムカバーのガスケットです。ガスケットを交換すればオイル漏れは治まりますが、折角の機会ですので10万キロのお疲れも拭っておこうと思います。
タイミングチェーンの張りや、伸びにより狂いが生じてくるのが バルブタイミング です。
ピストンの位置を正しく検出し、その後に位置の確認用のツールをセットすると。。
うわおっ!恥ずかしながらものすごくズレていました。SSTは高精度で造られているので、1度でもズレていれば綺麗にはまりません。
ところが、まるで定位置に収まろうとはしてくれません。
角度計表記では 3.7° ! 3.7°という数値にピンと来ないかもしれませんが、例えるならばモータースポーツ関連の車が派手にタイヤがハの字で迫力がある時があります。FF車の場合、うわ~派手な角度!と思う角度で大体3°弱です。 カムアングルで3°越えはなかなかの狂いです。
タイミングの調整をインテーク&エキゾースト両方で行い、正規の位置へと復帰しました。
整備後のエンジンは、静粛性を取戻しました。
穏やかに回転している印象を強く感じます。以前は、エンジンマウントが随分と悪くなったかな~?と思っていたのですが、信号待ちでのアイドリングの振動も一切無くなりとても良い感じです。ミッションがATですので、回してパワーを感じるという事はあまりありませんが、素直に回転する印象は強く感じます。
6速電子制御ATは、アクセル開度が少なめの際に1500rpm.あたりで次々とシフトアップします。つまり、低回転でしっかりとトルクが出ていないと、電子制御とエンジンの機械的部位の相性が悪くなります。エンジンの基本調整が整ったことで、低回転時のトルクの立ち上がりが良くなり、AT制御とのシンクロが上手く取れていると感じました。
きっと燃費も向上する事でしょう。
1.6THPにお乗りの方々には、強く推奨したい整備項目です。
先日、208GTIに同様の調整を行っています。後日、お客様より「気づいたらスピードが出てる。新車時の頃に感じた印象に戻った!」と言って頂けた事も印象的です。
Written by Hashimoto