タイミングベルトの交換からスタートです!
武闘派アバルトは戦闘力UP


過激に焼けたキャリパーの雰囲気から察するのは「楽しむ本気の走り」です。ブレンボキャリパーでは無く、ノーマルキャリパーに拘る理由さえも「言わずもがな」です。

春先よりご相談を頂いていたお車を、ようやくお預かりさせて頂きました。
まだまだお待ち頂いているお車が控えていますので、順次お声を掛けさせて頂きます。年内に終わるのかな。。?

今回は、戦闘力アップを目的とし、LSDを組み付けます。
その前に、タイミングベルトの交換からスタートしました。

ちなみに、タイミングベルトの交換は追加作業で決定した事項です。「そういえばそろそろ時期な気が。。」との事で、履歴を遡るとドンピシャでした。
実際にベルトの背面は細かなひび割れが生じていて、今回の施工は正解でした。

今回のベルト交換の作業中には、確かな手応えもありました。
クランクシャフト角度に対しての、カムシャフトの位置。この重要な要素に、ズレが生じていました。一コマという大きなズレでは無く、クランク側で半コマ位?でしょうか。このズレを補正すると、エンジンにとっては嬉しいことしかない。調子が良くしかならない。とも断言できる要素です。

カムシャフトの位置を合わせると、クランクの位置がズレている。状況を画像からすべてを察知するのは難しいと思いますが、そういう事なんです。


ウォータポンプの取付部 フランジです。残ったガスケットを除去し、この後ポンプを取り付けます。

タイミングベルトの交換の際には、エンジンマウントを取り外します。外したマウントは、見事に断裂していました。本来は繋がっているべき個所が、パックリと開いてしまっています。ハードに使用された車は、こういう箇所に他では見られない実情を確認できます。

ピントが合ってないわけじゃありませんよ。カムスプロケットをフリーな状態に回転させた瞬間にシャッタースピードを少し長くして撮影しています。これにより、クランク位置に対してカムシャフトの位置を正しく合わせる事が可能になります。
シャッタースピード?っと思われた方へ。そうなんです。投稿画像はニコンのD7100と言う少し古い一眼レフで撮影しています。お客様との会話で、何で撮ってるの?スマホ?と聞かれる方は、カメラの事を分かる方だと認識しています。



正しくくみ終えたタイミングベルトは気持ちが良いです。エンジンが快適に回転できる条件の一つを適正化出来ていますので、これで調子が悪いわけがない!そう思えます。

大昔、OHVのエンジンオーバーホールを行っていた際に、ボスから頂いた印象的な一言があります。
これで良いのですかね?との問いかけに、全てのデータ(数値)が正しければ良いだろう。と。ピストンクリアランスや組み付け方法、バルブタイミングと言った組み付けの際に必要となる基本の部分ですね。「基本に忠実」いまだにあらゆるシーンで大切にしている言葉です。どんな作業もそうですが、基本は大切です。特別な事を行っているのではなく、基本を軸に進める。そこに混ぜ込むアレンジが時にスパイスとしての刺激が生まれる。ベース・ドラムからのギター・ヴォーカルの関係みたいですね。
その名言が生まれた作業の核となるお客様は、他界され今はこんな自分の姿を見守って頂いている気さえします。すべての出会いに感謝です。

Written by Hashimoto

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