ランチア・デルタのエアコン配管製作
コンプレッサ交換と合わせて施工


ランチアデルタ16vは、今回のメイン作業でもある「エアコン・コンプレッサの交換」を行います。コンプレッサ交換とは言うものの、対象車両はデルタ..ツケポンでは完了させてくれそうにはありません。
用いるコンプレッサは、16V用では無くエボに用いられる物だそうでして、見た目の格好はそっくりでしたが細かい箇所の構造・寸法は異なります。
最も異なるのが、最重要ポイントでもある配管とコンプレッサを繋ぐフィッティングの形状でした。

コンプレッサの取付に関しては、社内製作のカラーなどで対応しますが、肝心の配管製作については頼れる方は1人となり、いつもの職人さんにお願いをする事になりました。暫定の配管レイアウトを作りながら曲げ・継ぎ・ホースの配置を決めます。

今回、新たに取り組みたい事は「整備性の悪いデルタのエンジンルームを、少しでも整備性の良い状態にする」です。高圧側の配管は、タイミングベルトカバーの側を通り、バッテリの前でUターンし、コンデンサへと繋がるという異様な構造です。この為に、バッテリを外す度に苦痛を強いられます。

配管を通す位置を工夫し、整備性の向上を目指して出来上がった配管がコチラ。

16Vは、コンプレッサに高圧側のサービスポートが装着されているのですが、新たなコンプレッサにはそれが存在していませんでした。ですので、配管にポートを装着しています。溶接が素晴らしく上手すぎます。

大きく異なるフィッティング部の形状。新しいコンプレッサに対応するフィッティングは、職人さんの持ち合わせで対応することが出来ました。こちらは低圧配管です。

コチラは高圧配管のフィッティングですが、パイプの生え方が特殊です。このフィッティングがあったからこそ、今回の配管レイアウトが実現します。

低圧側は、従来通りの場所を通しますが、高圧側はコンプレッサから後ろ向きに配管を伸ばしました。その後、向きを変えモノコックボディ形状に沿って下側へ落とし込みます。

バッテリトレーの下側を通す様にデザインし、バッテリを通過後に向きを変えコンデンサへと繋がります。オイルエレメントの出し入れのスペースも事前に確認済です。

ここに至るまでには、数々の問題が発生していまして。それらはあえては書いていませんが、一筋縄には行かない作業でした。社内で解決出来ることは社内で解決し、お力を借りる事は100%を依頼し、形にする事ができました。
過去に、ワンオフエアコン配管は数件実績が有り、それらも今回の職人さんにお願いしていました。
カングーの際に依頼した作業例
パンダの際に依頼した作業例
その他にも、クラシックミニの整備性向上のために大きくレイアウトを変えながら全ての配管を製作依頼した実例もあります。

今回も無理を聞いていただけ、この場を借りてお礼を申し上げます。

Written by Hashimoto

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