ベルト交換して良かった!嫌な水漏れ見つけました
楽しい代車の製作を始めました
楽しい代車の製作をグングン進めています。前回りの分解も行い、ヘッドライトを取り外した状態という事もあり、見晴らしの良い状態でタイミングベルトの交換作業も行うことにしました。エンジンマウントを外し、ベルトカバーを開けて視界に入ったのは嫌な所からの冷却水漏れでした。ウォータポンプからの水漏れと見間違うのですが、ウォータラインのブロックプラグからの水漏れです。
幸い社内ストック部品がありましたので、即交換です。
ウォータポンプとブロックプラグを取り外した状態を、下から見上げた様子です。ポッカリと2つの穴が確認出来ます。
取り外したブロックプラグと、新たに取り付るプラグ。
ブロックプラグの裏側はスチールのエンジンブロックですが、そのスチールに多量の錆が発生する事で永い時間を経て水漏れへと繋がる事が多いです。冷却水の管理を怠ってしまうと、クーラント成分の防錆効果が薄れてしまい、錆へと繋がります。ロングライフクーラントと聞くと、長持ち部品と思いますがやっぱり年に一度は交換をしておきたいと改めて思わされます。当社に毎年メンテナンスをご依頼いただくお客様には、こちらからクーラント交換のご案内をさせていただいていますのでご安心下さい。
新しいブロックプラグと、ウォータポンプを取り付ます。ブロックプラグは、補記類のブラケットに若干被さる形で取り付けられているため、ブラケットを少し移動する必要があります。浮かせてやるという言い方が正しいですかね。オルタネーターとクーラーコンプレッサが取り付けられているブラケットですが、6本のボルト・ナットを緩める事でスムーズに移動出来ます。こういう造りは救われます。一昔前の車なら、同じ様な作業の際に簡単には移動してはくれませんので。
その後は、タイミングベルト&テンショナベアリングを組付けて折り返しとなります。
この際ですので、SessAアドバンス・クランクプーリも取り付けました。
アドバンス・クランクプーリは、アルミ軽量がセールスポイントではなく、点火タイミングに働きかける効果が大きいパーツです。アバルトやフィアット系のエンジンの多くは、このクランクプーリでエンジン回転信号を検出しています(その他の車の多くは、フライホイール側で検出しています)。
その為、クランクプーリーと回転検出用のセンサー間の位相を変える事で点火タイミングを変更する事が可能です。
点火タイミング:ピストンが上死点前何度の位置に到達した際に、混合気に着火をするか。一般的にはノッキングが発生する手前が、最も効率よく燃焼し、最も出力を得られるとされています。
色々とお楽しみ要素も盛り込んで、仕上げています。ご期待下さい!
Written by Hashimoto
以下は補足です。
じゃあ、なぜメーカーは最初からその様に点火マップを用意しないのか?
使用する地域によっては燃料が粗悪で有る場合もあり、ハイオク指定で有りながらレギュラーを入れる場合も想定されます。とても熱い外気温でも正常に走らなければいけません。いかなる条件であっても、点火タイミングが原因でエンジンが壊れてしまっては困ります。
他にも理由はあると思いますが、主たる理由はそこにあります。しっかりと安全なマージンを設けて、セッティングをしている。という事です。点火タイミングの進み過ぎにより、エンジンブローを引き起こすことを防いでいるのですね。
日本国内では、燃料の質は安定しておりアバルトにレギュラーガソリンを入れている方は、ほぼゼロだと思います。その条件下ではアドバンス・クランクプーリで可能な点火タイミングの進角はリスクが無く行う事が出来、それによりエンジン出力と、ピックアップが良くなるという考えです。
気を付けなければいけないのが、ECUの書き換えにより点火マップに手を入れている場合です。(そこまで行っているかは分かりませんが、フルコン制御では行います。)その様なECUの場合はノッキングを誘発することも無いとは言えませんので、推奨取付車両はノーマルECUとしています。