工場通信

サスペンションのリファイン
楽しい代車の製作を始めました

今回の代車ベース車両アバルトは、サスペンションの状態が非常に良くなかったので、安心して乗っていただける様に＆長持ちする様に各部のリファインを行います。

今回の整備必要個所を分解します。ハブキャリアを取り外し、ハブベアリングとドライブフランジを新調します。

新品のベアリングを組み込むのですが、その前にベアリングシール内のマグネットに断線が無いかを事前に確認します。

この部分は、車速信号を検出する事に使われおり、ABS・ASRの信号としても使用されています。磁気に断線箇所があると規則正しいパルスが出力されなくなり、システムエラーの原因となります。

分解したベアリングは、劣化が進行していました。ガタツキ・ゴロつきの元となります。ドライブフランジは、ベアリングの中心軸に収まる部品です。軸部にも錆と傷が確認できます。センターを大きなナットで固定しているのですが、今回の作業開始時の緩める際に大きな力を必要せずに緩める事ができました。ベアリング劣化により、勘合力が緩くなっていた事が想像できます。

油圧プレスを用いて、新しいベアリングとドライブフランジを組み付けます。

ロワアームの状態もひどかったです。ブッシュの状態は一部が破断するほどの劣化状況に加え、先端のボールジョイントはガタガタになっていました。過去の使用状況が極端なローダウンをしていた事もあり、距離以上の劣化が進行したものと考えられます。極端なローダウンは車にダメージを与えますので、適度な車高が良いと再認識します。

ロワアームブッシュをオリジナル品に組み換えた、新しいロワアームを組み付けます。

代車といえども、気を抜かず。お客様のお車と同様にハイクオリティな仕上げを心がけます。

こういう組み付けを行う際に思うのは「大切に扱って頂きたい」という気持ちです。普段は事故をされない方々も、代車となると軽くぶつけてしまったり。。という事が起きる事もあります。確かに代車は普段乗り慣れない車ですので、不慣れだとは思いますが出来れば緊張感を持ってご利用いただけます事を願います。

ショックアブソーバも、車高調整式からノーマル形状の新品に変更しました。


枯れた見た目であったブレーキパーツでしたが、交換までは必要ありませんでした。ホイールの隙間から綺麗なブレーキが顔を覗かせる様に化粧直しを行いました。
艶が惹けていたブレーキキャリパも、黒ずみを洗浄しその上から保護塗装を施すことで艶が復活します。一手間を惜しまず、仕上げていきます。

Written by Hashimoto