ジュリエッタ1750 のタイミングベルトの交換
バルブタイミング調整が曲者です
アルファロメオ・ジュリエッタ・QVのタイミングベルトの交換を行っています。このエンジンは、カムシャフトの調整機構が若干曲者な特性を持っており、いつも少し苦労する作業です。
ペンキでマークを付けて、元あった位置に組むのが一番速い作業として終える事が出来ますが、大切なのは今が正しいのかどうか?です。それを確認するためにセオリー通り一手間かけての作業を行っています。
カムシャフトのエンド部には、SSTを勘合させる形状になっています。
インテーク・エキゾーストで形状が異なるカムロックツールをはめ込みます。
ピストンの位置を規定位置に合わせた際、カムシャフトのツールがピタリとはまればひとまず安心。なのですが、ベルトの伸びやテンションの狂いにより少しづつずれてきます。
今回の交換部品です。予防整備も含めての作業となりますので、今は悪くなくても近々悪くなりそうな部品は早目に交換を行います。
ベルトテンショナのひとつが、随分と悪くなっていました。「シャーッ」と軽快な転がりを見せています。エンジンベアリングや、シャシベアリングなどは高負荷・発熱時にもベアリング性能を維持する必要があるので、冷間ではしっとりと適度に転がりの重さを感じるくらいがベストです。冷間で軽く回るベアリングは、高温下において発熱し最悪の場合はベアリングのロックや樹脂部破損が懸念れます。
追加加工を施したSSTです。これにより、マニュアル通りの組み付け方では必ずズレてしまう事を回避できます。バルブタイミングの重要性は、エンジンのチューニング作業に携わらなければなかなか理解が出来ないことかもしれませんが、当社ではただの消耗品交換としての認識では無く、エンジン性能をより良くするための作業としてのタイミングベルト交換を行う様に心がけています。
Written by Hashimoto