リヤブレーキキャリパの作動不良の原因は?
アバルト500 ブレーキトラブル


アバルト500のリヤブレーキの作動に問題があり、調べたところ原因はキャリパブラケットにある事が分かりました。キャリパーの構造は、フローティング式ですのでピストンは一つのみです。ピストン側のパッドは直動式で作動しますが、反対側はフローティング機構により引っ張られて作動します。従って、フローティングピストンの動きが悪くなると、パッドが引きずったり、当たりが不均一になります。

定期的な清掃と給油により、良い状態を維持できるのですがモータースポーツでの使用期間が長いと、清掃・給油では復活しなくなります。

本来は赤色のブラケットですが、オーナー様は「見た目へのこだわりは全くないから、素地の部品で良いよ!」と言って頂けました。在庫品のキャリパブラケットに交換し、ブレーキ性能を正常に戻します。

それもそのはず。フロントブレーキキャリパーは、サーキット走行による発熱で赤色キャリパはすっかり素地キャリパーに変貌しています。ある意味男らしい仕様です。

ブレーキ性能の低下は、知らぬ間に進行している場合もあります。体感的に分かる程の性能低下が出た場合、処置が難しい場合もあります。普段からトラブル防止を見据えて予防整備を心掛けましょう。当社では、ブレーキスステムの診断にはBOSCH SDL テストを行っています。テストにより、引きずり・片効き・ディスクの歪み・最大制動力のアンバランス・ハンドブレーキの効き具合、色々な事をレポートとして出力する事が可能です。
メンテナンスは大切です。目視では分からない分野の診断もお任せください。

Written by Hashimoto

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