プジョー308GTi 270のブレーキ修理
プジョースポールが手掛けた、高性能モデルの308GTiのご新規様の点検作業を行わせて頂きました。
強烈なエンジン性能と専用に仕上げられた足廻り・フロント380mmのブレーキローターにアルコン製のブレーキキャリパーと全てに渡り、メーカーの拘りが見てとれます。
しかし交換、SDL診断の結果よりブレーキ制動の左右差が気になりました。
フロントの制動力バランスが右方向に傾いています。
今回、SessAブレーキパッドへの変更も行う為、ブレーキキャリパーの点検も行います。
冬季の融雪地域での使用が多かったせいか、シャーシの錆も気になりましたが、拘りのブレーキにもその波及が及んでおりました。外したキャリパーを丸ごとトレントで洗浄、状況を確認します。
4potブレーキキャリパーのピストンの一部が動いておりません。通常の分解作業でピストンが抜けず、ピストンにボルトを溶接、試行錯誤で外します。キャリパー本体にダメージを与え無い様にピストンを取り出す事に神経を集中して作業を進めました。
レーシングキャリパーと同じ構造の為、キャリパーにピストンのダストブーツが無く、ダストシールが付くものの、ピストンの錆の進行は、かなり進んでおりました。
必要パーツを他車流用で加工も含め、時間と手間が掛かりましたが、ALCONブレーキキャリパーのオーバーホールが成功、組付け完了です。ピストンの錆の原因は、ブレーキオイルへの水分の混入も考えられる為、定期的なブレーキオイル交換をお勧めします。
ブレーキ性能の復元が出来、左右の制動力バランスも良くなりました。
高性能な車両は、日ごろのメンテナンスもひと手間掛けて行う必要性を感じさせて頂きました。