ステージ1メンテナンスの際に思う事
オリジナル整備 ステージ1メンテナンス
当社に入庫する車両には100%の施工率を誇る、長年ずっと施工し続けている整備に「ステージ1メンテナンス」があります。電気系統が弱いイタ・フラ車には必須作業です。最近特に弱さを感じるのが、アバルトやフィアット系の配線と、それらを接続するターミナル類です。プジョー・シトロエン・ルノーは電気系統についての改善が躍進している為、昔の事を思うと随分と良くなりました。でもイタリア車は相変わらずです。
特にアバルトのアースケーブルはほんっとに細い!
いいの?これで?っていう位にほっそいケーブルを使っています。
新車の頃はそこまで影響が出ないので良いとしたものだと思います。
今回は、整備中に銅線の断面を見比べてみました。
左と中央は純正ケーブルをカットしたもの。右は当社で使用するケーブル。それぞれの断面です。純正は大体半分程度の細さですよね。対して当社で使っているケーブルは、いくつもの束化された銅線を被覆で覆っています。断面を見なければ分からない事ですが、良質な国産メーカーのケーブルを使用しています。
驚いたのは、交換した純正のターミナル。画像はマイナス側です。ものすごく変色し、錆も発生しています。バッテリポストとの接触状態が良く無い状態で使い続ける事で、接続部には発熱という現象が発生します。電気負荷が大きい程にその発熱は大きくなります。電気の流れが悪いから、熱を発してしまうのですね。
水の放水と似た現象です。
水圧が高く、水量の多い水をホースを通して放水する際、唐突にホースが屈折したり、踏みつぶされていると水の通りが悪くなり、100%の放水量を実現できなくなります。途中で流れの悪くなった箇所では、その直前で圧力に耐えれずホースが膨らんだりします。
電気の流れで熱を発するのは、ホースを踏みつぶした様な状態の場所がある場合です。流れが悪いからそこで発熱し、その先では発熱が原因で電圧は降下します。電圧ロスですね。
なので、その元を正さなければ、どれだけアースを追加しても無駄です。未だに意外と知られていないみたいですね。
バッテリポストへの接触面積が小さすぎるのが原因です。親指位のサイズのポストに対して指輪を2本はめたイメージが純正のターミナルですので、バッテリの力を存分に発揮できませんし、戻ってくることも出来ません。
それらの状況をケーブル交換や追加を プラス側とマイナス側に施しながら作業を行うのがステージ1メンテナンスです。派手さはありませんが、確実に結果が出る真面目な作業です。
新しい事にチャレンジしながらも、頑なにブレずに継続する事もあります。
Written by Hashimoto