DS3のLLC漏れ修理とステージ1メンテナンス
先日ステージ3メンテナンスから整備をスタートしたDS3の整備の続きを行っていきます。
カーボンクリーンから整備にかかっていたこのDS3ですが、トラブルを一つ抱えたまま整備をスタートしていました。
そのトラブルは冷却水漏れです。
下からベルト周りを除くと明らかに湿った様子が見受けられます。
リブベルトやフリクションプーリーを外して見えてきたのがウォーターポンプ。
緑色の液体が漏れ出しているのが解ります。
この黒いボディのウォーターポンプは初期モデルにのみに使われているもので、その多くはが水漏れ起こしており見つけ次第交換をオススメしています。
左のシルバーのボディの現在使われているタイプのウォーターポンプへと交換しました。
リブベルトと同時に交換させていただくことの多いフリクションプーリーは最近交換されいるようでキレイな状態でしたので再利用し組付けさせていただきました。
続いての作業はサーモスタットの交換を行います。
こちらの車輛ではまだ水漏れは起こしていませんでしたが、先ほどのウォーターポンプと同様かなりの車輛で水漏れを起こすウィークポイントの一つとなりますので、トラブルを未然に防ぐ為に予防交換を行います。
バッテリー周りの分解を伴う作業ですのでステージ1メンテナンスも同時に行っていきます。
サーモスタットの取り外し完了。
サーモスタットと言うよりサーモスタットユニットと言うべき大きさで、狭い中でホースを外したりと取り外すだけでも少し手間のかかる部品です。
こちらが交換するサーモスタットとなります。
部品を比較してみると水温センサーの位置が変更されており対策部品となっていることが解ります。
組付けの際はホースバンドなども新品に交換し後のトラブルの発生源を減らしながら組付けました。
続いてはステージ1メンテナンスに移っていきます。
クイックリリースタイプの咥え込み力の弱いプラス側のバッテリーターミナルを取り除きターミナル交換を行い。
オルタネーターからのダイレクトケーブルを追加します。
電流制御ユニットのついたマイナス側のターミナルは作りもしっかりとしています。
取り外すわけにはいきませんので追加アースが取り付けられるように加工し、ボディとエンジンへのアースケーブルを作り取り付けします。
本来ではカバーに覆われ見えないバッテリー周り。配線加工が終わりターミナル用潤滑材を塗布し、ステージ1メンテナンス完了です。
エンジンが始動できるようになったらクーラントチェンジャーを使い、冷却水周りの作業は完了。
エンジンがかかっているこの間にも、前回の整備で入れたフラッシング用オイルでのエンジンフラッシングは続いており、トータル1時間以上のフラッシングが完了しましたので、リフトに車を移しステージ3の油脂類の交換を行っていきます。
フラッシング後の抜き取ったエンジンオイル。
数時間のアイドリングでもこれだけ汚れているという事は、それだけ汚れを取り除けた証です。
オイルエレメントの交換も行い新しいエンジンオイルへと入れ替えました。
ステージ3ではミッションオイルの交換を含みますが、ミッションのドレンボルトに取り付けられた磁石には多くの鉄粉がついており汚れていたことが伺えます。
スパークプラグの点検を行うと状態も良くなく、プラグテスターでの点火具合も良くありませんでしたので交換させていただきます。
エアクリーナーはステージ3メンテナンスでは通常交換しますが、こちらの車輛には洗浄タイプのエアクリーナーが取り付けられていましたので清掃し組付けを行い、各部点検・テスターでのフォルトチェックなどを行えばステージ3メンテナンス完了です。
ステージ3メンテナンスの仕上げに整備後のシャシーダイナモでの出力チェック。
赤の線が整備前に行ったグラフ。
黒い線が整備後に行ったグラフ。
となります。
試運転の際もフィーリングアップは感じていましたがシャシダイグラフにも違いがはっきりと表れました。
高回転時の出力が明らかにアップしています。
パワーアップが目的のステージ3メンテナンスではありませんが、お車本来の出力を取り戻すことが出来とても良いリフレッシュとなりました。