今週2台目のアバルトの足回りは加工が大変でした
SessAオリジナルサスペンション
グングンと多数の車の作業を進めています。最近は1日に何台もの車に手をかけることが多く、時間配分とリフトの使い方をフル回転で考えながら作業を進めています。当社にはリフトが4台設置されていますが、どのリフトも常時使用中の為、不意なご来店作業にはお応えする事ができません。必ずご予約のうえご来店ください。特にこれからの時期は冬用タイヤへの付け替え需要が高まります。ご予約の際、平日はできる限り朝一番のご来店をして頂けますと助かります。
今週2台目のサスペンション組み換え作業です。シリーズ4アバルトへの組み付けが多いので、通常はノーマルダンパーからの組み換えとなりますが、今回は既にビルシュタインB8+ローダウンスプリングの組み合わせからの、バージョンアップ作業です。
フロントに対してリヤ側が20mm程高く、前後の車高バランスがいまひとつしっくりこない状態でした。リヤのバンプストップラバーも非常に当たりやすくなっており、乗り心地が気になるシーンが増えてきたとのご相談でした。
もう少し下がると見た目もよい感じなのですけどね。ローダウンスプリングですので、多くを求めてはいけません。
今回予想外の難関が発生しました。既にピロアッパーマウントが装着済みでしたので、加工が必要になるのは想定内でした。なのですが、寸法がまるで合わないのです。どう合わないかは施工者で無い限り理解できない内容ですが、合わないのです。。とにかく何かを合わせようとすると、こっちがダメ。。の繰り返しです。
当社のオリジナルダンパーのトップボルトはM14サイズで、通常よりも2mm太く作っています。そのサイズに既存のピロカラーの内径が合わない。M12だからです。そんな事は旋盤でなんとでもなります。
内径加工でM14になったとしても、トップボルトはほんの少ししか顔を出しません。ピロナットで固定できるならこれで問題はないのですが、ノーマルナットで固定する設計でしたのでこのままでは固定不可能です。
ならばピロナットで固定すれば?なのですが、このピロアッパーが曲者でしてピロボール内径が約20mmです。車に使うピロボール内径は約18mmがスタンダードなので、ピロナットの軸径20mmは規格外の為、どこにも設定がありません。
当社ではピロナットも製作している為、M12・M14 それぞれのピッチで設定がります。でも軸径が細いのです。
途方に暮れながらしばし一休さんの思案時間を過ごします。ピロナットさえ何とかなれば装着可能。。でも規格外。。あっ!作るか、今すぐに。材料となるロングナットを探し始めるも工業規格ではM14ナットはピッチ2.0、ダンパートップボルトは自動車用らしくピッチ1.5なので材料の入手は難しいと判断。う~ん。
全部いちから作るか。あの材料を使って。
普通ここまでやらないですよね。というか、普通の車屋さんなら諦めるでしょ、という事もなんとかやって見せます。負けず嫌いのアイデアマン的発想です。
今度はピロカラーとピロボールのサイズが合わない。そりゃそうですよね。自動車用規格外のピロボールですので、一般寸法で制作している当社のカラーは少し小さいのです。付けてしまえばしばらくは問題ないと思いますが、ここが原因でおかしな事になっても嫌です。
なのでカラーも作りました。
これで全てOK!
カンペキです。
あとはダンパーストロークに異常が出ないかなどしっかりと確認し、組み付けです。
すこし大変でしたが、ひとつ賢くなりました。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto