グリッパー機械式LSDの組付け・調整作業
ルーテシア3RS LSDプリロード調整


ミッションのオーバーホールと、機械式LSDの組付けが順調に進行中です。ここまできたら、少々手間の掛かるプリロード調整に移ります。プリロード調整とは、デフの両サイドに組み込んだテーパーローラーベアリングの効き具合を調整し、適正な転がりを実現する為に必要な作業です。ルーテシア3RSのプリロードは、デフの両端間の寸法で選定するシムを決定するようになっていますが、測定方法によって変化してしまいます。
なので手間ではありますが、仮組・測定・シム入れ替えを繰り返して丁度良いところを探ります。外側からシムを入れ替えれる様に設計してくれれば、それが最高なんですけどね。完全クローズドなトランスミッションケースですのでその他のミッションの様に、隙間からプリロードの測定を行う事が出来ずなのです。

そこで思いついたのがこの方法。ドライブシャフトの切れ端があれば一番なのですけどね。CLIO3のドライブシャフトのUSED品は流石に工場に転がっていませんでした。

シムを入れて、ベアリングレースを入れて、ケースを締めて、その際の転がり抵抗を確認します。シムが厚く効き具合が強すぎれば重たくなり回らなくなります。シムが薄く効きが弱くなればケースのボルトを締めても無負荷状態と何ら変わらなくなります。その間の丁度良い所を沢山のシム厚の中から選定します。

なかなか根気のいる作業です。良かったのは、あらかじめシムを用意していた事です。デフが変われば、殆どの場合はシム調整が必要になります。必要になってから発注していては、作業の中断になりますし、国内になければもっと最悪です。

消耗品を組み替え、デフの調整も終え、組み立ては最終段階になりました。

このミッションの嫌なところと言えば、エンドボルトの増し締めがめちゃくちゃし辛い事でしょうか。アウターケースを外せばコンプリートのミッションが出てくる効率的な構造なのですがそのおかげでボルトが締め辛いです。

二人がかりで、抑え込みながら尚且つギヤシャフトがずれない様な配慮が必要です。数年前にもこんな感じで作業を行ったのを思い出しました。

この後、ケースを閉じトランスミッションは完成です。
まだまだ施工する事が残されています。頑張ります。

Written by Hashimoto

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