プジョー508 エンジン振動の原因は
各部のリファインを進めるプジョー508です。
入庫時からエンジンの振動に違和感を感じていました。単純にマウントが劣化しているだけではない、何かを感じます。
距離からして、マウントは一斉に全数交換を行おうと思います。
おそらくどこかの一箇所に何らかの問題が有り、それが違和感に繋がっている物と思われますが、マウントの全数交換は車内への振動圧を抑え非常に快適性が高まることもあり、出来る限りは患部のみで無く全数の交換をお勧めするようにしています。
冒頭画像はトランスミッションの上側に位置するマウントで、通称トランスミッションマウントと呼びます。
508の場合、このマウントにアクセスするためには上側の分解を行う必要があり、そこが少し大変です。
重たいトランスミッションを支える大切な部分です。
次いでこちらはエンジンの下方に装着されている通称 エンジンロワマウントです。
エンジンはアクセルのオン・オフに連動して前後へと大きく揺れます。この動きはピストンの上下運動に伴う慣性力からくる動きと、ミッションより伝わる駆動伝達力からくる慣性力があります。どちらも非常に大きな力を持ちます。その動きに対してはこのマウント1つで対応していますので、最も劣化速度の早いマウントとも言えます。
最後にエンジンの上側に位置するマウントです。
通称エンジンメインマウントです。508はそこにも前後方向の揺れを抑える通称トルクロッドが備わります。
今回の問題はここにありました。
トルクロッドのマウント部が横方向にズレており、その為スチールボディとアルミブラケットに干渉が生じていました。
原因は、エンジンマウントの使用限界による潰れにより、寸法が狂ったものと考えられます。
メインマウントが潰れ、エンジン角度が変わることでその上に装着されているトルクロッドに対して横方向の力が加わりそれによりズレが生じたのでしょう。
上記の理由から、今回の対象物1点のみの交換では、すぐに新品のトルクロッドに悪影響が及んだことが予想できます。
4点同時に交換をしておいて正解でした。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto