106s16インテーク系統の基本整備


タイミングベルトの交換を終えた106s16です。

続いては、インテーク系統・吸気廻りの基本整備を行います。
106のインテークマニホールドとサージタンクは樹脂製です。過去にも取付部のボルトやナットが緩んでいる事が多々有りました。
今回は、何を行うと言うよりも基本点検を行おうという段取りとなりました。

取り外したサージタンクの裏側、フューエルラインのプレッシャレギュレータに繋がる、バキュームホースを差し込む樹脂に異変が見つかりました。
過去の何らかの作業で折れたのでしょう。接着剤での修理を行った痕跡です。
この部分は、スロットルボディよりもエンジン側に位置する箇所ですので、基本的には負圧が掛かる場所です。接着剤が振動で剥がれると2次空気が混入する事となります。エンジンが本来では無い量の2次空気を吸い込み始めると燃調補正が追いつかなくなります。その結果燃焼温度が上がり、触媒の異常加熱が発生します。もちろん走りの面でも異常は出ます。

その様な理由から、きちんとした形に戻すべく部品交換を行うことに。
106の部品在庫量については自信ありな当社ならではで、サージタンクの優良中古品を出してきました。

折れていた樹脂に繋がる先はここです。
インジェクタレールの端に装着されているプレッシャレギュレータです。
よく残圧保持の役割と間違われますが、残圧保持とは無縁の部品です。
残圧では無く、燃圧を規定圧に対してエンジンのおかれる状況と見合わせ適正にコントロールする部品です。
燃料ポンプは常に供給を続ける部品ですが、燃料を必要以上に要しない状況(アイドリング時やアクセル開度が低い定走行時など)では負圧により内部機構の働きでリターン回路に燃料を戻します。燃料を多く必要とする際はポンプからの圧力をそのまま供給します。ダンパーとしての役割も兼ねるため、ポンプの脈動を減らす効果も含まれます。

地味なところに装着されているため見落としがちですが、だからこその単体点検は大切です。ダイヤフラムが正常かを確認するため、マイティバックで真空保持を確認します。

吸気系統には、合計5つの電子部品が装着されています。
必要に応じて抵抗点検を行いました。

全てが正常値でしたので、ひとまず安心です。
スロットルボディは綺麗に洗浄し、ISCVも真っ黒けでしたので洗浄を行います。

大切なのは、ガスケットの交換を行うことです。
ゴムのパッキンが入っているのですが、当然潰れてきます。新調することで気密を保てますので大切です。

何か壊れているから行う整備ではありませんが、20年近く経った今、改めて各部の基本を見直すことも大切です。

最後に気になったのは、ボンネットキャッチです。

潤滑剤に汚れが付着しています。

トレントで洗浄し、潤滑剤を吹き付けます。
こういう所の動きは、ボンネットの開閉に影響を及ぼします。
締まりが悪かったり、開きが悪い場合、汚れが溜っている可能性が高いです。

Written by Hashimoto

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